column 家づくりコラム

注文住宅のオプション一覧・費用相場|標準との線引きはここ

「標準仕様」と「オプション」。
はじめて家づくりをすると、多くの方がこの線引きで迷います。

同じ浴室乾燥機でも、ある会社では標準、別の会社ではオプション。
外構や照明も、どこまでが本体価格なのかが会社ごとに違うため、見積書を見てもピンとこないということは少なくありません。

この記事では、
「そもそも標準仕様とオプションの違いは何か」
「どんなオプションがあって、いくらぐらいかかるのか」
「どこまでを標準、どこからをオプションとして考えると失敗しにくいのか」
を整理していきます。

 

 

 

1|注文住宅の「標準仕様」と「オプション」とは?

 

 1-1 標準仕様のイメージ

  標準仕様とは、その住宅会社が「このくらいあれば、普通に快適に暮らせる」と考える基本セットです。
  キッチン・お風呂・トイレ・洗面台・内装・外装・窓・断熱材・玄関ドア・室内ドア・コンセントや照明の数など、家を建てるために最低限必要なものが一式含まれています。

  ただし「最低限」のラインは会社ごとに違います。
  ある会社では「オール電化+高断熱窓」が標準でも、別の会社では「ガス給湯+一般的な窓」が標準等。

  

 1-2 オプションのイメージ

  オプションとは、標準仕様に「プラスして選べるもの」です。

  たとえば、次のようなものが代表的です。

   ・性能を上げるもの(断熱性能アップ、窓のグレードアップ、太陽光発電など)

   ・家事や子育てがラクになるもの(食洗機、乾太くん、ランドリールーム、パントリーなど)

   ・暮らしを豊かにするもの(吹き抜け、ヌック、中庭、ガレージなど)

   ・デザイン性を高めるもの(無垢床、タイル壁、間接照明など)

  同じ設備でも、「標準仕様の中に入っているか」「差額を払ってグレードアップするか」は会社ごとに異なります。
  ここが「標準との線引き」で最も悩みやすいポイントです。

 

 1-3 線引きで迷いやすいところ

  線引きで特に迷いやすいのは、次のような部分です。

   ・キッチンやお風呂のグレード(標準のままでいいか、ワンランク上にするか)

   ・性能(断熱・気密・窓のグレードをどこまで上げるか)

   ・外構(どこまでを建物費用に含めるか)

   ・収納や造作家具(既製品で対応するか、造作でつくるか)

  これらは「今だけでなく、10年・20年先の暮らしやすさ」「光熱費」「メンテナンスの手間」にも直結します。
  そのため、単に“見た目が好きかどうか”だけでなく、長い目で見た優先順位をつけることが大切です。

 

 

2|どこまでを標準、どこからをオプションと考えるか

 

オプションは、増やそうと思えばいくらでも増やせます。
そこでおすすめなのが、次の3つの視点で「標準に近い感覚で大事にしたいもの」と「好みで足していくもの」を分ける考え方です。

 

 2-1 性能(断熱・気密・窓まわり)は“土台”

  暑さ・寒さに関わる断熱性能、すきま風を減らす気密性能、熱が出入りしやすい窓の性能は、やり直しが難しい「家の土台」です。

  特に、断熱性能を表すUA値や、すきまの少なさを表すC値は、住み心地と光熱費に深く関わります

  窓や断熱材、玄関ドアなどを「性能の良いグレードまで上げること」は、できるだけ「標準に近い感覚」で優先したい部分です。

 

 2-2 間取り・動線は“暮らし方”

  間取りや動線は、暮らしの「使い勝手」を決める部分です。

   ・玄関からパントリーを通ってキッチンに入れるか
   ・洗濯→干す→しまうまでが一筆書きで終わるか
   ・リビングと庭・中庭が気持ちよくつながるか

  こうした「動きやすさ」は、後から大きく変えることが難しいため、標準・オプションというより
  「設計の中でしっかり考えておきたいテーマ」として扱うのがおすすめです。

 

 2-3 内装・設備・収納は“暮らしの味付け”

  無垢床やタイル壁、間接照明、造作家具などは、「暮らしの味付け」にあたる部分です。
  ここは、予算とのバランスを見ながら、メリハリをつけてオプションを選ぶのがポイントになります。

   ・リビングや玄関だけ無垢床にする

   ・見せ場になる一面だけタイルやアクセントクロスにする

   ・リビングの造作テレビボードだけ造作にして、他は既製品で揃える

  といったように、「こだわる場所を絞る」考え方が有効です。

 

 いちいホームでは

  「性能(断熱・気密・換気)」を家づくりの前提条件としてしっかり確保したうえで、
  中庭や外構、家事動線、造作家具などを一体で計画することを大切にしています。

  そのうえで、「ここだけはこだわりたい」というポイントに予算を集中できるよう、
  標準仕様とオプションの線引きも、打ち合わせの中で丁寧に整理していきます。

 

 

3|場所ごとの代表的なオプションと費用相場

 

ここからは、「どんなオプションが」「どのくらいの費用感なのか」を、場所ごとにイメージしやすいようにまとめています。
金額はあくまで目安ですが、全体予算の感覚をつかむ参考にしてみてください。

 

 3-1 性能・設備(断熱・窓・給湯・太陽光など)

  性能系のオプションは、「毎月の光熱費」と「体のラクさ」に長く効いてくる部分です。
  総額を見ながらも、できるだけ優先度を高く考えたいゾーンといえます。

オプション内容 目安費用(税込) ポイント
 窓のグレードアップ(二重サッシなど) 30〜80万円前後  暑さ寒さ・結露・防音に直結
 玄関ドアの高断熱タイプ 10〜30万円前後  冷気・熱気の出入りを抑えやすい
 断熱材の性能アップ 20〜60万円前後  冬あたたかく、夏すずしく暮らしやすい
 高効率給湯器(エコキュートなど) 30〜60万円前後  光熱費の削減に貢献
 太陽光発電システム 100〜200万円前後  電気代の削減・停電時の備え

 

 3-2 キッチン・ダイニングまわり 

  キッチンは、毎日の家事時間に直結する場所です。
  「片付けやすさ」「動きやすさ」「家族と会話しやすいか」をイメージしながら、
  どこまでオプションを足すか考えると、後悔が少なくなります。

オプション内容 目安費用(税込) ポイント
 ビルトイン食洗機 10〜25万円前後  洗い物の時間を大幅カット
 タッチレス水栓 2〜5万円前後  衛生的で節水もしやすい
 カップボード(背面収納) 20〜60万円前後  食器と家電をまとめて収納
 パントリー(食品庫) 10〜40万円前後  買い置き・非常食のストックに便利
 アイランド/ペニンシュラキッチン 30〜100万円前後  回遊動線やコミュニケーションが取りやすい

 

 3-3 浴室・洗面・トイレ

  水まわりのオプションは、「快適さ」と「掃除のしやすさ」に影響します。

  優先度の高いところを1〜2つ選ぶだけでも、ずいぶん暮らし心地が変わります。

オプション内容 目安費用(税込) ポイント
 浴室暖房乾燥機 10〜30万円前後  冬のヒートショック対策・室内干しに便利
 浴室テレビ・スピーカー 10〜30万円前後  入浴時間をくつろぎの時間に
 手元止水付シャワーヘッド 1〜3万円前後  こまめに止められて節水しやすい
 タンクレストイレ 15〜40万円前後  見た目スッキリ・お掃除しやすい
 トイレ手洗いカウンター 10〜20万円前後  小さな子どもも使いやすい

 

 3-4 収納・間取り・室内の工夫

  収納や小さな居場所づくりのオプションは、「片付けやすさ」と「居心地の良さ」を同時に高めてくれます。 

オプション内容 目安費用(税込) ポイント
 ウォークイン/ファミリークローゼット 20〜60万円前後  洗濯→収納までの動線を短くできる
 玄関土間収納 20〜50万円前後  ベビーカー・外遊びグッズをしまえる
 造作棚・造作カウンター 5〜30万円前後  スペースぴったりで「置き場所問題」を解決
 吹き抜け・勾配天井 50〜150万円前後  明るく開放感のあるリビングに
 ヌック(小さなこもりスペース) 10〜30万円前後  読書や子どもの宿題など“第二の居場所”に

 

 3-5 外構・エクステリア

  外構は「予算が足りなくてあと回し」にされがちな部分ですが、日常で必ず目に入り、使う場所です。
  建物本体とセットで計画しておくと、「思ったより駐車がしづらい」「庭をほとんど使っていない」といった後悔を減らせます。

オプション内容 目安費用(税込) ポイント
 カーポート・ガレージ 50〜200万円前後  車を雨風から守り、趣味のスペースにもなる
 ウッドデッキ・テラス 30〜150万円前後  リビングと外をつないで“外リビング”に
 目隠しフェンス・植栽 20〜80万円前後  視線を切りつつ、景色も楽しめる
 外構照明・アプローチ 10〜50万円前後  夜の表情や防犯性を高める
 宅配ボックス・門柱まわり 10〜40万円前後  共働き世帯にうれしい非対面受け取り

 

 

4|「やってよかった」と感じやすいオプション

 

 

実際の暮らしの中で満足度が高いとされるオプションは、おおまかに次の3つのグループに分けて考えることができます。

 

 4-1 性能の底上げ系

  窓・断熱・気密・換気など、建物の性能を底上げするオプションは、季節を問わず「やってよかった」と感じる方が多い部分です。
  冬の「底冷え」が減り、夏の「モワっと感」が少なくなると、体の負担もかなり変わります。

  光熱費も「少しのエネルギーでちょうどいい室温」に近づくため、長い目で見るとコスト面でもプラスになりやすいゾーンです。

 

 4-2 家事ラク・時短系

  代表的なのは、ビルトイン食洗機・パントリー・ランドリールーム・ガス衣類乾燥機(乾太くん)などです。

  「帰宅してから寝るまでの2〜3時間」がとても忙しい共働き世帯では、「1日30分の時短」が積み重なるだけでも心のゆとりが変わります。
  洗濯や片付けに時間を取られすぎないよう、「家事の動線+設備」をセットで考えるのがおすすめです。

 

 4-3 収納・居場所づくり系

  玄関土間収納やファミリークローゼット、ヌック、小さな書斎コーナーなど、「ものの置き場所」と「人の居場所」を整えるオプションも満足度が高い傾向があります。

  たとえば、

   ・帰宅後、上着とカバンをそのままファミリークローゼットにしまえる

   ・階段下のヌックで子どもが本を読んでいる

   ・リビング横の小さな書斎でテレワークや家計簿をつける

  といったシーンは、毎日の暮らしのストレスをゆるめてくれます。

 

 

5|後からでも対応しやすいもの/新築時にしかできないもの

 

オプション選びで迷ったときは、「今しかできない工事か、後からでも対応しやすいか」を一つの判断基準にするのも有効です。

 

 5-1 新築時に優先したいもの

  構造や外皮に関わるものは、あとからの変更が難しいか、費用が大きくなります。

  たとえば、

   ・断熱性能や気密性能を上げるオプション

   ・窓や玄関ドアのグレードアップ

   ・吹き抜け・勾配天井・中庭などの大きな空間構成

   ・床暖房(特に温水式)

   ・給湯器や換気システムの種類

  などです。

  これらは「やっぱり変えたい」と思ったときの工事負担が大きくなります。
  迷ったときは、できるだけ新築時に決めておくと安心です。

 

 5-2 後からでも対応しやすいもの

  一方で、あとからでも比較的対応しやすいものもあります。

   ・照明器具やカーテン・ブラインド

   ・一部の造作棚や家具

   ・インテリア小物・ラグ・観葉植物

   ・一部の外構(植栽の追加、庭の作り込みなど)

  もちろん、何でも後回しにしてしまうと「結局そのまま」になってしまうことも多いですが、
  「今でないと難しい工事」と「後からでも足しやすいもの」を分けて考えるだけでも、予算配分がぐっと整理されます。

 

 

6|オプション選びで後悔しないための進め方

 

最後に、標準仕様とオプションの線引きを考えるときの、おすすめの進め方を整理します。

 

 6-1 「暮らし方」の希望を書き出す

  「どんな暮らしをしたいか」を、設備名ではなく生活シーンで書き出します。

  例としては、「洗濯物をリビングに干したくない」「休日は庭でごはんを食べたい」「冬でもスリッパなしで過ごしたい」などです。
  これを家族で共有しておくと、オプションの優先順位がつけやすくなります。

 

 6-2 標準仕様を具体的に確認する

  同じ「標準」と書いてあっても、窓のグレードや断熱性能、キッチン・お風呂のシリーズなど、中身は会社ごとに大きく違います。

  モデルハウスやショールームで、実際の標準仕様を見て触って確認し、「ここはこのままで十分」「ここはもう少しランクを上げたい」と感覚をつかんでいきましょう。

 

 6-3 予算の中に「オプション枠」をあらかじめ取る

  建物本体価格とは別に、「オプションに使ってよい金額」をあらかじめ決めておくと、検討がスムーズになります。

  たとえば、「総額3,000万円のうち、性能アップと家事ラク設備に300万円まで」など、ざっくりとした枠を持っておくイメージです。
  その中で優先順位をつけていくと、「あれもこれも」と膨らみ続けるのを防げます。

 

 6-4 「性能」「家事ラク」「外構」の3つに配分する

  オプション候補を、「性能」「家事ラク・動線」「外構・庭」の3つに分けて表にしてみると、全体像が整理しやすくなります。

  たとえば、性能には「窓・断熱・換気」、家事ラクには「食洗機・パントリー・ランドリールーム」、外構には「ウッドデッキ・目隠し・カーポート」といった具合です。

  それぞれのグループの中で、「どうしてもやりたいもの」「できればやりたいもの」「後回しでも良いもの」と段階をつけると、削るときの判断もしやすくなります。

 

 6-5 担当者と一緒に「線引き」を言語化する

  最後に、担当の設計士や営業担当と一緒に、「どこまでを標準として考え、どこからをオプションとして扱うのか」を言葉にしていきます。

  「性能はここまでは標準として考えたい」
  「キッチンは標準ベース+食洗機だけオプション」
  「外構は、駐車場と最低限のアプローチだけ先にやって、植栽は将来でもよい」

  といったように、線引きを共有できていると、打ち合わせのたびに迷う時間を減らせます。

 

 

7|まとめ:標準とオプションの線を、自分たちの暮らしで引く

 

標準仕様とオプションの違いは、単に「値段の違い」ではありません。
どこまでを「暮らしの土台」としてしっかり整えるか。

どこを「自分たちらしさの味付け」として楽しむか。
その線を、自分たちの暮らしに合わせて引いていく作業が、注文住宅のオプション選びです。

性能(断熱・気密・窓・換気)は、できるだけ土台として大切に。
その上で、家事ラクや収納、外構などにメリハリをつけて予算を配分することが、後悔の少ない家づくりにつながります。

 

いちいホームでは

高崎市・前橋市周辺で、UA値0.46・C値0.5以下(平均0.35)の高断熱・高気密性能を標準とし、全棟で気密測定を行っています。

そのうえで、中庭やガーデンとつながるプラン、家事ラクな回遊動線、造作収納などを、お客様一組ごとの暮らしに合わせてご提案しています。
「どこまでを標準として考えればいいのか」「このオプションは本当に必要か」など、迷いやすいポイントも無料相談会でじっくりご相談いただけます。

高崎市や前橋市、周辺エリアで注文住宅をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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