注文住宅と建売住宅の費用差は?総額シミュレーションで解説
- Category:比較・検討・基礎知識
はじめに——「総額」で比べると見えてくること

家づくりで最初に気になるのは「建売と注文、結局どちらが“いくら”違うの?」という点。
表示価格だけを見ると建売が安く見えますが、土地・建物・外構・諸費用・引越し・入居後の光熱費やメンテナンスまで含めた“総額”で比べると、答えは人それぞれに変わります。
しかも、差の正体は「延床面積の違い」「設備グレード」「外構の範囲」「土地条件」といった前提の違いに宿っています。
今回は、総額の考え方と現実的なシミュレーションをお見せします。
群馬・高崎エリアの気候や土地事情も交えながら、「わが家に合う選び方」までの道筋を示していきます。
費用差の正体は「前提」にある
1)面積と仕様の差が積み上がる
建売は分譲地で複数棟を効率的につくるため、面積はややコンパクト・仕様は万人向けの標準寄りになりやすい。一方で注文住宅は、家族構成や趣味、収納の考え方に合わせて面積を最適化しつつ、要所の仕様を上げやすいため、金額が伸びがちです。
ポイントは「広さ=快適さ」ではないこと。“使い道がない数㎡”の積み増しが最もコスト効率を悪くします。逆に、動線と収納を整えるだけで2~4㎡減らしても体感満足度を落とさない設計は十分可能です。
2)スケールメリットの有無
建売は建材や設備を一括仕入れ・工期の平準化により、1棟あたりのコストを抑えられます。注文住宅は一邸ごとに設計・発注する分、管理や手間のコストを抱えやすい構造です。
ただし、「決め方の順番」と「優先順位」を整えるだけで、注文でもムダな迷走を避け、きれいに総額を制御できます。
3)外構・付帯工事・諸費用の扱い
見落としがちな差。建売は最小限の外構が価格に含まれることが多い一方、注文住宅は外構・造成・屋外給排水・各種申請費などを別建てで積むのが一般的。
ここを最初から“別予算”として10%前後見込んでおくと、後半で驚かずに済みます。
4)土地条件の影響
同じ35坪でも、駅近と郊外で土地代は数百万円単位で変わります。さらに地盤改良や造成の有無、前面道路の位置・高さなどで付帯工事費は上下します。
「建物の上げ下げより、土地選びが総額に効く」というのは、家づくりあるあるです。
高崎・前橋で考える「土地と総額」の関係
同じ「35坪の家」を建てるにしても、高崎駅周辺か郊外の落ち着いた住宅地かで土地代は大きく変わります。
通勤・通学・買い物の動線、道路の幅員・電柱位置・高低差、音や視線の抜けも、外構や窓計画に影響して付帯費が変動します。
ポイントは、土地選びの段階で設計士が現地を読み、対策をセットで考えること。
例えば、中庭(コート)で視線を切りながら光と風を取り込む、庇や植栽で夏の日射を制御する、窓の高さと向きでプライバシーと採光を両立する——
こうした設計の工夫で、“面積を増やさず心地よさを上げる”=コスト効率を高めることができます。
総額シミュレーション(高崎エリアのリアル感覚)

※金額はあくまで一例です。実際は時期・仕様・敷地条件で上下します。
想定:3~4人家族、車2台、家具家電は最低限の新調、延床30~36坪の範囲。
ケースA:建売住宅(分譲地・4LDK・延床約30坪)
・物件価格(建物+土地):3,880万円
・購入諸費用(登記・火災保険・融資関係・仲介など):180~230万円
・外構追加・カーポート等(必要に応じて):80~150万円
・引越し・照明・カーテン等:40~70万円
概算総額:4,180~4,330万円
→ 表示価格に対して+ 8〜12%ほどの上振れを見ておくと安心。
外構が充実している物件なら、追加は小さくできます。
ケースB:注文住宅(標準仕様/延床約34~36坪・中立的立地)
・土地代:1,200~1,500万円(駅距離や周辺環境で変動)
・建物本体:3,000~3,400万円(性能・仕上げ・造作量で変化)
・付帯工事・設計・申請・地盤改良の予備:250~450万円
・外構(駐車2台・アプローチ・最小限の植栽):120~200万円
・購入諸費用:220~280万円
・引越し・照明・カーテン等:50~90万円
概算総額:4,690~5,820万円
→ Aとの差は+ 360〜+ 1,640万円。
面積・仕様・土地条件の決め方次第で上下します。
ケースC:注文住宅(“調整版”/面積と仕様を最適化)
・土地はエリアを少し広げて坪単価を抑える(例:60坪・~1,200万円)
・延床32~34坪に最適化(収納の質と動線の良さで“量”を補う)
・設備は標準中心+要所だけオプション
・外構は段階施工(必須→将来の順に)
概算総額:4,450~4,900万円
→ 建売との差を数百万円まで圧縮。
「面積」と「仕様の山谷づくり」が最も効くと分かります。
予算がふくらむ“落とし穴”と、上手な抑え方
よくある上振れ要因
・造成・地盤改良・屋外給排水:土地次第で想定外の出費に。
・カーテン・照明・造作収納:見積り外や後回しになって膨らみやすい。
・外構:駐車計画・フェンス・目隠し・植栽は、範囲次第で数十~数百万円。
・家電入替:エアコン台数や冷蔵庫サイズの更新が意外と重い。
上手な抑え方(効果の大きい順)
1. 「毎日の時短」に効く順番でお金を配分(動線→室温→収納→外観→趣味)。
2. 面積は“余白の意味”とセットで判断(無目的な2~3㎡は削る勇気)。
3. 外構は段階施工(初期は“暮らしに必須”に絞り、見た目は後年に育てる)。
4. 土地は“駅距離×生活動線×地盤”で総合評価(本体で頑張るより、土地で失点を作らない)。
5. 諸費用枠を最初から別建てで確保(表示価格+10%前後を“見えない費用”箱に)。
入居後の“ランニング”まで含めた生涯コストで考える
家づくりはゴールではなくスタート。光熱費・メンテナンス・税といった“住み続けるコスト”の影響は10年、20年で大きな差になります。
たとえば、冬の朝にLDKだけでなく廊下や洗面も寒くない室温計画にすれば、エアコンの無駄運転が減り、ヒートショック対策にもなります。
夏の西日を庇(ひさし)や植栽、窓の高さでコントロールすれば、冷房負荷は下がります。
断熱(UA値)と気密(C値)は、「家の魔法瓶度合い」と「スキマの少なさ」と捉えればOK。数値が良いほど、部屋ごとの温度差が少なく、冷暖房が効きやすい家になります。
いちいホームでは、UA値0.46/C値0.5以下(平均0.35)をベースに、地中熱を活かす24時間換気(DSDD)など、高崎の暑さ・寒さに効く設計と性能を両立。
図面上の“性能予定”を、現場の丁寧な断熱・気密施工で“実測の数値”に落とし込むことを重視しています。
省エネ=我慢ではなく、“自然な心地よさを整える”思想です。
結果として、毎月の光熱費のブレが小さくなり、生涯コストの予見性が上がるのがメリットです。
高崎・前橋で“わが家の答え”を出すための3ステップ
ステップ1|30分で「今の不満」を書き出す
朝の身支度が渋滞/洗濯物の置き場がない/ベビーカーが玄関に収まらない/ランドセルと部活道具の帰宅動線がごちゃつく——日々の困りごと=予算を投下すべき場所です。
ステップ2|土地と暮らしの“相性”を現地で確認
日当たり・風・音・視線・道路の高さ。窓の位置・高さ・庇・植栽で解決できるか、設計の視点で読み解きます。
変形地や密集地でも、中庭(コート)で外からの視線を切りながら、光と風を引き込むことができます。
ステップ3|予算は“使い道順”で決める
「毎日の時短」→「室温の安定」→「収納」→「外観」→「趣味」。
効果の大きい順に配分すると、総額はぶれにくくなります。
いちいホームでは、希望をすべて伺ったうえで“やらないこと”も最初に決める進め方。
結果、打合せの回数は必要最低限でも満足度が高い計画になります。
「建売」と「注文」の向き・不向き(高崎エリアの実感)
建売が向く人
・入居時期が最優先(入学・転勤など期日が決まっている)
・手続きをシンプルに終えたい、早く暮らし始めたい
・“だいたいの間取り”で大きな不満がなければOK
注文が向く人
・家事や送迎の動線短縮、洗濯・物干し・収納など細部の答えを出したい
・密集地や変形地でものびのび暮らす工夫をしたい
・面積をむやみに増やさず、質で満足度を上げる設計に価値を感じる
どちらも正解。違いは優先順位です。費用差だけを見て決めるより、「わが家に必要な機能」→「それを叶える最短の設計」→「総額配分」の順で考えると、後悔のない選択に近づきます。
まとめ——“費用差”はコントロールできる

・建売と注文の差は、面積・仕様・外構・土地条件といった前提の積み重ねで決まります。
・面積の最適化と仕様の山谷づくり、外構の段階施工、諸費用の別枠化で、注文でも総額はきれいに整う。
・さらに、室温の安定や風の取り込みまで設計で解いていくと、入居後の光熱費や体感の満足度に長く効いてきます。
いちいホームは、「毎日の時短」と「一年を通じた心地よさ」を軸に、わが家の優先順位から総額の使い道を一緒に設計します。
建売か注文かで迷っている段階でも大丈夫。まずはモデルハウスの体感見学や無料相談で、あなたの暮らしに合う“答えの出し方”を見つけに来てください。
高崎らしい気候を味方にする暮らしを、私たちが伴走します。