column 家づくりコラム

通気と換気の違い|家が長持ちする基本の考え方

はじめに

 

家づくりでは「断熱性能」「耐震性」「間取り」など、目に見える要素が注目されがちです。
しかし、家を長く・快適に・安全に使い続けるためには、
屋根の中空気の流れといった“見えない部分”の品質が大きく影響します。
その中でも特に重要なのが「通気」と「換気」です。

この二つは似ている言葉ですが、意味も目的もまったく異なり、家の寿命や住み心地に直結します。
本記事では、通気と換気の違い、そして家が長持ちするための基本の考え方を実際の注文住宅づくりを踏まえて分かりやすく解説します。

 

 

1. 「通気」とは?

 

外壁や屋根の内部に「風の通り道(通気層)」をつくり、そこに空気を流すことで湿気や熱を外へ逃がす仕組みです。
ポイントは、私たちが暮らしている室内ではなく、「壁や屋根の中」を空気が流れているという点です。

 

 通気の目的

  ・壁内結露を防ぐ

  ・構造材・断熱材の劣化を防止する

  ・夏の熱ごもりを軽減する

  ・外壁材の耐久性を高める

  日本の気候は湿気が多く、夏は高温・多雨です。
  その影響は室内だけでなく、壁の中・屋根の中にも及びます。

  

  通気が不十分だと、

  ”断熱材が湿気を含んで性能が落ちる”、”構造材が腐朽する”、”見えない場所でカビが広がる”

  など、住宅の寿命を縮めるトラブルにつながります。

  通気計画の基本的な考え方

  長く安心して住める家にするには、構造部分の性能を重視した通気計画が欠かせません。たとえば、

  ・外壁の内側に空気の通り道を確保する

  ・軒裏(屋根の出っ張り部分)から空気を取り入れる経路をつくる

  ・屋根の頂部から熱が抜けるように排気経路を設ける

  といった工夫で、壁や屋根の中に湿気や熱がこもりにくくなります。

 

 

 

2. 「換気」とは?

 

換気とは、室内の空気を新鮮な外気と入れ替える仕組みのことです。
シックハウス対策や健康への配慮から、現在の住宅では24時間換気システムの設置が義務化されています。

 

 換気の目的

  ・室内の湿気やニオイを外へ排出する

  ・室内のCO₂濃度を適切に保つ

  ・カビやダニの発生を抑える

  ・住む人の健康を守る

  調理・入浴・洗濯物の室内干し・人の呼吸など、日常生活のあらゆる場面で、家の中には湿気や汚れた空気が生まれます。

 
  換気が不足すると、
  ”窓の結露”、”カビやダニの増加”、”空気のよどみやニオイ”、”アレルギー症状の悪化”

  など、「暮らしの質」を損ねる問題につながります。

 

 換気計画のポイント

  換気は「設備をつければ終わり」ではなく、次のような点も含めて考えることが大切です。

  ・給気と排気のバランス(どこから入れて、どこから出すのか)

  ・間取りやドアの位置との整合性(空気の流れを遮らない動線)

  ・部屋ごとに空気がよどみやすい場所をつくらないレイアウト

  設備だけに頼らず、家全体で空気が流れるように設計することが、長く快適に暮らせる家につながります。

 

 

 

3. 通気と換気の「決定的な違い」まとめ

 

項目 通気 換気
流れる場所  壁・屋根などの「構造内部」  リビングや寝室などの「室内」
目的  家そのものを長持ちさせる  人の暮らし・健康を快適に保つ
主な効果  湿気や熱を外へ逃がし、構造を守る  汚れた空気を入れ替え、空気を清潔にする
必要性  構造材の腐朽・断熱材の劣化を防ぐ  カビ・ニオイ・よどみを防ぎ、健康を守る
施工の要点  通気層・通気経路の確保  換気設備・間取り・気密とのバランス

 

通気と換気は「どちらが大事」ではなく、
どちらも正しく機能してはじめて、家も暮らしも守られるという関係です。

 

 

4. なぜ「気密」がセットで語られるのか

 

 気密不足は通気・換気のどちらも機能不全にする

  気密(C値)が低い、つまり家に隙間が多いと、想定していない場所から空気が出入りしてしまいます。
  その結果、

   換気:計画したルート以外から空気が出入りし、必要な場所に新鮮な空気が届きにくくなる

   通気:室内の湿った空気が壁の中に入り込みやすくなり、壁内結露のリスクが高まる

  といった問題が起こります。

  せっかく通気層や換気設備を整えても、気密が甘いと本来の性能が発揮されないということです。
  そのため、通気・換気・気密は必ずセットで考える必要があります。

 

 いちいホームでは

  家の「あたたかさ・涼しさ」と「空気のきれいさ」をまとめて考えた家づくりを大切にしています。
  UA値0.46クラスの断熱とC値0.5以下のすき間の少ないつくりで、
  壁や屋根の中に湿気がたまりにくく、通気がしっかり働くようにしています。
  さらに、その土地の風向きや日当たりを見て窓の位置を決め、
  地中熱を利用した24時間換気システム(DSDD換気)で、
  一年中できるだけ快適な温度と湿度、きれいな空気を保てるよう工夫しています。

 

 

5. 通気と換気が効く家はなぜ長持ちするのか

 

 1)壁内結露を防ぎ、構造材の寿命が延びる

  家の寿命を縮める最大の敵のひとつが「水分」です。
  壁の中の湿気が抜けずに冷やされると、見えないところで結露が起き、木材の腐朽や断熱材のカビにつながります。

 

  適切な通気と気密があることで、

  ① 湿気の侵入を抑える

  ② 万が一侵入した湿気も、通気層を通じて外部へ排出されやすくする

  という二重の守りが働きます。

 

 2)断熱材が本来の性能を維持できる

 断熱材は、水を含むと性能が一気に落ちる性質があります。
  通気層によって湿気をため込みにくい環境をつくることで断熱材が本来の性能を発揮しやすくなり、
  家全体の温熱環境が安定します。
  その結果、冷暖房効率が高まり、光熱費のムダも減らせます。

 

 3)室内の空気がいつも清潔で心地いい

  換気が適切に行われている家では、ニオイ・湿気・ウイルスなどを含んだ空気がこもりにくく、
  家族の健康にも配慮された環境を保ちやすくなります。

 

 4)メンテナンス負担が減り、長期コストも抑えられる

  結露やカビが少ないということは、

  ・クロスの張り替え頻度が減る

  ・内部の補修工事のリスクが低くなる

  といったメリットにもつながります。
  建てたあとにかかるコストを抑えられる点でも、通気と換気は大切な要素です。

 

 

6. 家を長持ちさせるための「住んでから」のポイント

 

性能は家づくり段階で決まる部分が大きいですが、住み方によっても寿命は変わります。
通気と換気の力を活かすために、暮らしの中で意識しておきたいポイントをまとめます。

 

 1)換気設備(24時間換気)は止めない

  「寒い」「音が気になる」といった理由で24時間換気を止めてしまうと、
  湿気やニオイが滞留し、結露やカビの大きな原因になります。

 

 2)家具を壁にぴったりくっつけすぎない

  大きな家具を壁にベタ付けすると、家具裏の空気が動かず、カビが発生しやすくなります。
  数センチでも良いので壁から離し、空気の通り道を残しておくと安心です。

 

 3)室内干しのときは換気を強化する

  室内干しは、どうしても湿気が多く発生するシーンです。

  換気扇”、”除湿機”、”サーキュレーターなどを併用
  空気を動かしながら乾かすことで、結露やカビのリスクを抑えられます。

 

4)換気フィルターの定期的な清掃を習慣に

  特に24時間換気のフィルターは、ホコリがたまると一気に性能が落ちます。
  取扱説明書に記載されている頻度を目安に、掃除や交換を定期的に行いましょう。

 

 

7. まとめ|通気と換気の違いを知ることは、家の「健康寿命」を伸ばすこと

 

通気 = 家を守る仕組み(構造内部の湿気や熱を逃がす)
換気 = 暮らしを守る仕組み(室内の空気を入れ替える)

 

どちらが欠けても、家は長持ちしません。
そして、これらを支える土台として「気密」があり、断熱性能と組み合わさってはじめて、住宅の性能が十分に発揮されます。

見えない部分の品質にまで目を向けることが、家の健康寿命を伸ばし、家族の暮らしを静かに支えてくれる家づくりの基本と言えるでしょう。

いちいホームでは

断熱・気密・換気をセットで考えた高性能な家づくりに取り組んでいます。
UA値0.46クラスの高断熱と高気密、地中熱を利用した24時間換気システム(DSDD換気)により、
通気が働きやすい構造と、一年を通じて安定した温度・湿度環境を両立させています。

無料相談会やモデルハウス体感会では、こうした「見えない部分の品質」についてもお気軽にご相談いただけます。

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