住宅性能は「数字」だけじゃ分からない|見学会で体感するポイント
- Category:住宅性能・構造
はじめに
家づくりを進めるなかで、「UA値」「C値」「耐震等級」といった性能を示す数字を目にする機会が増えたのではないでしょうか。
高性能住宅への関心が高まる今、これらの数値は会社選びの判断材料として重視される傾向にあります。
しかし、数字だけで「暮らしの心地よさ」まで想像できるかというと、正直なところ難しいのが実情です。
同じUA値0.46の家でも、窓の配置や換気計画、施工精度によって体感は大きく変わります。
本記事では、住宅性能を”数字”ではなく”体感”で確かめるために、見学会でチェックすべきポイントを解説します。
カタログやWebサイトでは分からない「暮らしの質」を、実際に足を運んで確かめるヒントにしてください。
性能の「数字」が教えてくれること、教えてくれないこと
住宅性能を表す代表的な数値として、以下のようなものがあります。
| 指標 | 意味 | 目安 |
| UA値 | 外皮平均熱貫流率。断熱性能を示す | 0.46以下でHEAT20 G2相当 |
| C値 | 相当隙間面積。気密性能を示す | 0.5以下で高気密住宅 |
| 耐震等級 | 地震への強さを示す等級 | 等級3が最高 |
これらの数字は、家の「器としての性能」を客観的に比較するうえで欠かせません。ただし、数字が同じでも、以下のような要素によって住み心地は変わってきます。
・窓の位置・大きさと方角の関係
・換気システムの種類と給排気口の配置
・断熱材の施工精度
・間取りと空調計画の整合性
たとえばUA値0.46の家でも、南面に大きな窓を設けて日射取得を最大化した家と、西側に大開口を設けて夏の西日が入り込む家では、夏場の体感温度がまるで違います。
数字は「土台」として大切ですが、それだけでは暮らしの快適さを保証してくれないのです。
見学会で体感すべき5つのポイント
1. 温熱環境|部屋ごとの温度差を歩いて確かめる

部屋に入った瞬間、「あ、暖かい(涼しい)」と感じることがあります。ですが、リビングだけで判断するのは早計です。本当に確認したいのは、家全体の温度ムラです。見学会では、できるだけ家の中を一周しながら、体で感じる温度差を確かめてみてください。
・玄関や廊下、脱衣室、トイレなど「家の端」でヒヤッとしないか
・窓のそばに立ったとき、足元や頬に冷気を感じないか
・上下階や部屋ごとで、明らかな温度差がないか
高気密・高断熱の家は、暖房や冷房の設定温度が控えめでも室温が安定しやすく、部屋間の温度差が出にくい傾向があります。逆に、リビングは快適でも廊下や水まわりで冷えを感じる場合は、断熱・気密・換気のどこかに課題がある可能性もあります。数字を見るだけでなく、実際に歩いて「体の感覚」で確かめることが、性能を見極める大切なポイントです。
2. 空気の質|換気の「効き」を鼻で感じる
高気密住宅では、計画換気が正しく機能しているかどうかが暮らしの快適さを左右します。 見学会では、以下の点を意識してみてください。
・玄関を開けた瞬間、こもったにおいがしないか
・キッチンや洗面脱衣室で湿気っぽさを感じないか
・長時間滞在しても空気が重くならないか
24時間換気が適切に計画されていれば、2時間に1回、家じゅうの空気が入れ替わります。「空気がきれい」という感覚は数値化しにくいものですが、実際にその場にいると「なんとなく気持ちいい」という体感として伝わってきます。
3. 音の伝わり方|周りの音が気にならないか

子育て中のご家庭では、音の問題は切実です。2階で子どもが走り回る音、隣室のテレビの音、外からの車の音。これらがどの程度聞こえるかは、見学会でしか確かめられません。
見学会では、以下のような確認をしてみてください。
・2階を歩いたとき、1階にどのくらい音が響くか
・窓を閉めた状態で、外の音がどの程度遮断されるか
・吹き抜けや階段まわりで、音がどう伝わるか
気密性が高い家は、外からの音が入りにくい傾向があります。一方で、室内の音が反響しやすくなる場合もあるため、床材や壁の仕上げ、間取りの工夫も含めて総合的に判断することが大切です。
4. 光の入り方|時間帯による変化をイメージする
見学会に行くタイミングによって、光の入り方は大きく変わります。 午前中は東側が明るく、午後は西側に日が傾く。できれば異なる時間帯に訪れるか、スタッフに「午前中はどんな明るさですか」「西日の入り方はどうですか」と聞いてみてください。
チェックしたいポイントは以下の通りです。
・リビングの奥まで自然光が届いているか
・北側の部屋が暗すぎないか(ハイサイド窓などの工夫があるか)
・夏の直射日光を遮る庇や軒があるか
光の設計は、電気代や冷暖房効率にも直結します。 「明るい家がいい」という漠然としたイメージを、具体的な光の入り方として確認できるのが見学会の強みです。
5. 生活動線|実際に歩いて距離感をつかむ

間取り図を眺めているだけでは、動線の良し悪しは分かりません。 見学会では、実際に生活をシミュレーションしながら歩いてみてください。
・玄関→手洗い→荷物置き→リビングの流れはスムーズか
・キッチン→洗面脱衣→物干し場の距離は短いか
・朝の身支度で洗面所やトイレが渋滞しないか
とくに共働きで子育て中のご家庭では、朝夕の限られた時間で家事をこなす必要があります。「あと2歩短ければ」「ここに収納があれば」という小さな不満が、10年、20年と積み重なると大きなストレスになりかねません。
見学会では、ご夫婦それぞれの視点で動線を歩き、「うちの暮らし方に合うか」を確かめてみてください。
見学会で確認したいチェックリスト
見学会に行く前に、以下のチェックリストを用意しておくと効率的に情報収集ができます。
温熱環境
- □ リビング以外の場所(玄関・廊下・脱衣室)の温度差
- □ 窓際の冷え(コールドドラフト)の有無
- □ 床の冷たさ・暖かさ
空気環境
- □ 入った瞬間のにおい・空気感
- □ 換気システムの種類と給排気口の位置
- □ 長時間いても息苦しくないか
音環境
- □ 2階の足音が1階にどう響くか
- □ 外の音の遮断具合
- □ 吹き抜けでの音の伝わり方
光環境
- □ 自然光の届き方(奥まで明るいか)
- □ 北側の部屋の明るさ
- □ 西日対策の有無
生活動線
- □ 帰宅から着替えまでの流れ
- □ 洗濯動線の長さ
- □ 収納の位置と量
会社への質問
- □ 気密測定は全棟実施しているか
- □ 断熱材の種類と施工方法
- □ この地域の気候をどう考慮しているか
まとめ|数字は土台、体感は答え合わせ
住宅性能を示す数字は、家の基本性能を客観的に比較するために欠かせません。しかし、その数字が暮らしの心地よさにつながるかどうかは、実際に体感してみないと分かりません。
- 温熱環境は、リビングだけでなく家全体を歩いて確かめる
- 空気の質は、入った瞬間の第一印象を大切にする
- 音の伝わり方は、子どもが走る姿をイメージしながら確認する
- 光の入り方は、時間帯による変化をスタッフに聞いてみる
- 生活動線は、自分たちの暮らしを重ねながら歩いてみる
見学会は、カタログやWebサイトでは得られない「答え合わせ」の場です。ぜひご家族で足を運び、数字の先にある暮らしの質を確かめてみてください。
いちいホームでは
断熱・気密・耐震といった性能の数値だけでなく、「その性能がどう暮らしに活きるか」までを設計段階から丁寧に考えています。
完全予約制の見学会や無料相談会で現在ご検討中の図面や気になっているプランをもとに、温熱・動線・光の入り方などを一緒に整理することが可能です。
「数字は良さそうだけれど、本当に快適なのか不安」
そんな段階でも問題ありません。まずは無料相談会で、暮らしの視点から性能を読み解く時間をつくってみてください。

