イングルヌック(ヌック)とは?小さな居場所が生む”心の余白”
- Category:暮らしとスタイルの工夫
はじめに|”おこもり空間”が家族の暮らしを豊かにする
家族みんながリビングに集まっていても、ふと「自分だけの時間が欲しい」と感じることはありませんか。
かといって個室にこもると孤立してしまい、家族との距離が開いてしまう気がする――。
そんなジレンマを解消してくれるのが「ヌック」と呼ばれる小さな居場所です。
本記事では、ヌックの語源や歴史から、暮らしにもたらす価値、計画する際のポイントまでを解説します。
1|イングルヌック(ヌック)とは?語源と歴史
ヌック(Nook)の語源は、スコットランドの伝統建築に見られる「イングルヌーク(Ingle neuk)」にあります。
Ingleは「暖炉の火」、neukは「片隅」を意味し、もともとは石造りの住宅で暖炉のそばに設けられた小さな腰掛けスペースを指していました。
北欧や英国の寒冷地では、暖炉の温もりを逃さず家族が身を寄せ合う場所として重宝されてきた歴史があります。
現代の日本では暖炉を設ける家は少なくなりましたが、その「火のそばで家族がゆるやかにつながる」という感覚は、リビングの一角に小さな居場所を設けることで再現できます。
壁やドアで完全に仕切らず、天井の高さや床の段差、素材の変化でそっと領域をつくる。
この「ゆるやかな区切り」こそがヌックの本質であり、個室でもなくリビングでもない”間(あいだ)の空間”が、心の余白を生み出すのです。
2|なぜ今、ヌックが選ばれるのか
テレワークの定着やおうち時間の増加により、家の中で過ごす時間が長くなった方は多いのではないでしょうか。
一方で、家族全員が同じ空間にいると、音や視線、生活リズムの違いがストレスになることもあります。
ヌックは「家族の気配を感じながら、自分の時間に集中できる」という絶妙な距離感を叶えてくれます。
読書やお昼寝、趣味の作業、子どもの遊び場、短時間のテレワーク――
用途をひとつに限定しないからこそ、暮らしの変化に柔軟に対応できる点が、子育て世代を中心に支持される理由です。
また、個室を増やすよりも面積効率がよく、デッドスペースの有効活用にもつながります。
限られた敷地でも”居場所”を増やせるのは、住宅密集エリアで家を建てる方にとって大きなメリットといえるでしょう。
3|ヌックがもたらす5つの価値
1. 心理的な安心感
天井が少し低い、三方を壁に囲まれている。
こうした「おこもり感」は、人に安心感をもたらすとされています。
子どもの頃、押し入れや机の下に秘密基地をつくった経験がある方も多いのではないでしょうか。
ヌックはその感覚を住まいに取り入れた空間です。
2. 家族との”ちょうどいい距離”
リビングにいながら、少しだけ視線を外せる場所があると、
それぞれが思い思いのことをしながらも「一緒にいる」時間を過ごせます。
声をかければすぐに届く距離感は、小さなお子さんの見守りにも安心です。
3. 多目的に使える柔軟さ
朝は読書コーナー、昼は子どもの遊び場、夜は親の書斎タイム。
用途を固定しないからこそ、家族のライフステージに合わせて役割が変化していきます。
4. デッドスペースの有効活用
階段下、廊下の突き当たり、リビングの凹み。
通常なら収納で終わるスペースをヌックにすると、居住空間の満足度がぐっと上がります。
面積を増やさずに”居場所”を増やす、コスト効率のよい投資です。
5. インテリアのアクセント
壁の色を一面だけ変える、床を畳やコルクに切り替える、天井を下げる。
ヌック部分だけ素材やトーンを変えることで、空間にメリハリが生まれ、LDK全体がのっぺりとした印象になりにくくなります。
4|ヌックの配置アイデア|場所別の活かし方
リビングの一角(窓辺ベンチ型)
南面の窓際に奥行45cm程度のベンチを造作し、下部を引き出し収納に。
クッションを並べれば、日向ぼっこしながら読書が楽しめるリーディングヌックになります。
階段下(秘密基地型)

階段下の三角スペースを活かし、入口をアーチやおうち型に仕上げると、子どもが喜ぶ秘密基地に。
床を畳やクッションフロアにすれば、おもちゃを広げても傷がつきにくく、片付けも簡単です。
2階ホール(スタディ型)
階段を上がったホールにカウンターと本棚を設置し、朝の身支度前の読書や夕方の宿題に。
LDKの喧騒から半歩離れた居場所は、集中力を高めてくれます。
小上がり併設型
リビングの一角を20〜30cm上げて小上がりにし、畳やフロアタイルで仕上げる方法も人気です。
段差の下を収納にすれば、おもちゃやブランケットの”一時置き場”としても重宝します。
5|失敗しないヌックづくりの勘所
目的を”ひとつ”決める
「読書」「遊び」「PC作業」など、メインの用途をひとつ決めておくと、必要な設備(コンセント、照明、棚)を見落としにくくなります。何でも詰め込むと、結局どれにも使いにくい空間になりがちです。
最初から道具を置く
本棚に本を、壁にフックを、ベンチにクッションを。
入居時から”使う準備”を整えておくことで、物置化を防げます。
広さは1.5〜2.5帖を目安に
狭すぎると窮屈、広すぎるとおこもり感が薄れます。
ベンチ奥行40cm+通路幅60〜80cmを確保すると、使いやすいサイズに収まります。
照明は”やわらかさ”を意識
間接照明やブラケットライトなど、まぶしくない光源を選ぶと落ち着いた雰囲気に。
調光機能があると、時間帯や気分に合わせて明るさを調整できます。
まとめ|小さな居場所が、毎日の”好き”を増やす
ヌックは、個室ほど閉じず、リビングほど開かない”間の空間”。
暖炉のそばで家族が身を寄せ合ったイングルヌークの伝統を、現代の暮らしに合わせて再解釈した居場所です。
心の余白をもたらす小さな空間は、家族それぞれの時間を尊重しながら、ゆるやかなつながりを生み出します。
いちいホームでは
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