column 家づくりコラム

造作収納とは?|既製品との違いと「コストを抑える設計のコツ」

はじめに

 

家づくりで意外と悩むのが「収納、どうする?」問題です。間取りはなんとなく想像できても、暮らし始めてから増えるのはモノ片付けの手間。とくに小さなお子さんがいる家庭では、日用品・おもちゃ・ストック品が一気に増え、「置き場が決まらない」だけで毎日の疲れが増えてしまいます。

そこで選択肢になるのが、家と一体でつくる「造作収納」と、あとから買える「既製品収納」。どちらが正解というより、場所ごとに向き不向きがあります。この記事では、造作収納の基本から既製品との違い、そして「造作を入れたいけど予算は抑えたい」人のための設計のコツを整理します。

 

 

造作収納と既製品収納の違い

 

違いは「オーダー」か「規格」か、だけではありません。決定的に違うのはタイミングです。

 

【造作収納】

  • 家の工事と同時に、大工さんがその家の寸法に合わせてつくる収納(つくり付け)
  • 設計の段階で「何をどこにしまうか」を決めていく
  • 「暮らしの設計に組み込む収納」

 

【既製品収納】

  • 家具屋さんやメーカーで買って、置いたり固定したりして使う収納(買う収納)
  • 暮らしながら「足りないところを足す」ことができる
  • 暮らしに合わせて調整できる収納

 

 

造作収納のメリット:見た目だけじゃなく、暮らしが整う

 

1)すき間が出にくく、空間をムダにしない

壁いっぱい、天井いっぱいまで使えるので、同じ面積でも収納量が増えやすいのが造作の強みです。階段下や梁の下など、家具が入りにくい場所も使い切れます。

 

2)散らかりやすい場所ほど、片付けの「定位置」を作れる

玄関のバッグ置き、リビングの書類・薬・充電コーナー、洗面のタオルや洗剤など、出しっぱなしになりやすいモノほど、造作で定位置を作ると散らかり方が変わります。

 

3)部屋全体の統一感が出る

家具を増やしていくと、素材や色がバラバラになりがち。造作は建具や床、壁と合わせて設計できるので、空間がすっきり見えます。

 

 

造作収納のデメリット:後悔ポイントはここ

 

1)つくり方次第でコストが上がる

造作は一点もの。扉の枚数、金物(レールや取手)、内部の引き出し、面材(表面材)のグレードで金額が動きます。

 

2)あとから「動かせない」

模様替えや用途変更がしにくいのは造作の弱点です。子ども部屋など、将来の変化が大きい場所は慎重に。

 

3)「しまいにくい造作」を作ると、ただの飾りになる

奥行きが深すぎる、棚の高さが固定で合わない、扉が重くて開けにくい——。こうなると「結局使わない」が起きます。造作は見た目より出し入れから逆算が鉄則です。

 

 

既製品収納のメリット/デメリット:柔軟性と引き換えに出る課題

 

既製品の最大のメリットは、価格と入れ替えのしやすさです。家族の変化に合わせて買い足し・買い替えができます。

一方でデメリットは、規格サイズゆえのすき間奥行き問題。壁と家具の間に中途半端な余白ができたり、家具の奥行きが深くて通路が狭くなったりします。また、地震対策で固定が必要になるケースもあり、結果として気軽に動かせない家具になることもあります。

 

 

「造作=高い」を避ける。コストを抑える設計のコツ7つ

 

ここからが本題です。造作収納は、工夫すると満足度の割に予算を食いにくい領域にもできます。

 

1)造作にする場所は「毎日使う・散らかる」順に絞る

全部を造作にしないことが最大の節約です。
おすすめは、①玄関 ②キッチン周り ③洗面脱衣 ④リビングの小物 の順で「日常の渋滞ポイント」から優先すること。

 

2)扉を減らす

扉は材料費も金物も増えます。全部を扉にせず、
・下段だけ扉(上はオープン棚)
・一部をロールスクリーン/カーテンで隠す
など“見え方を整える別解”を持つと、コストが落ちやすいです。

 

3)形をシンプルにする

曲線、段違い、細かい仕切りが増えるほど手間が増えます。まずは「箱」をつくり、内部は可動棚で調整する。これがコストと使いやすさの両立ポイントです。

 

4)内部は既製品に寄せる

造作でだけつくり、中身は市販ボックス・引き出しケースを使うと、費用も抑えられ、暮らしの変化にも対応できます。
:パントリーは棚板+市販カゴ/リビング収納はボックス前提の棚寸法にする、など。

 

5)奥行きは「置くモノのサイズ」から決める

造作でありがちな失敗が深すぎる棚。奥がデッドスペースになります。
・書類/本:浅めでOK
・日用品ストック:奥行きが必要
・家電(ルーター、掃除機など):コンセント位置もセットで検討
「何をしまうか」が決まると、必要な奥行きも決まります。

 

6) 「可動棚」を基本にする

棚の高さを固定すると、収納の入れ替えが起きた瞬間に使いにくくなります。稼働棚(高さ調整できる棚)を基本にすると、長く使いやすい。結果的に買い足しが減り、トータルで得になります。

 

7)造作は「動線」とセットで考える

収納のコストはだけでなく、位置で効きます。遠い場所に大きな収納を作っても、結局リビングにモノが溜まることがあります。

 

よく使う場所の近くに、小さくても「戻す場所」を作る——これが最も効率がいい節約です。

 

 

迷ったらここを造作に。子育て世帯で効果が出やすい5カ所

 

造作にしたい場所 置きたいものの具体例
 玄関  ベビーカー/外遊びグッズ/上着/バッグの仮置き
 キッチン  パントリー/ゴミ箱スペース/家電置き場(コンセントも)
 洗面脱衣  タオル/下着/洗剤/乾燥機まわりの一時置き
 リビング  書類/薬/充電/文具/子どもの制作物
 階段下などの「余り空間」  季節家電/防災/まとめ買いストック

 

ポイントは「片付けたい場所」ではなく「散らかる理由がある場所」を選ぶことです。

 

 

失敗しないためのチェック(設計打合せで確認したいこと)

 

その収納に何をしまうかを具体的に言える?
出し入れする人の身長で、棚の高さは無理がない?
扉の開き方で通路が塞がらない?(引き戸/開き戸)
掃除機やルーターなど、電源が必要なモノは入らない?
将来変わりそうな用途か?(子ども部屋・趣味部屋は要注意)

 

造作は「作って終わり」ではなく、「暮らしのクセを前提に作る」と当たりやすくなります。

 

 

まとめ

 

造作収納は、空間にぴったり収まり、暮らしの定位置を作れる反面、作り方次第で費用が増え、あとから変えにくい面もあります。
だからこそ、
・・散らかりやすい日常ゾーンは造作で「戻す場所」をつくる
・・変化が大きい場所は既製品で「入れ替えられる余白」を残す
このバランスが、後悔しない収納計画につながります。

 

いちいホームでは

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図面が完成してしまう前に、収納計画も含めて一度リデザインしてみると、家づくりの迷いがスッと軽くなるはずです。

 

 

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