column 家づくりコラム

この間取り、なんとなく落ち着かない|“違和感”の正体を見つける5つの視点

はじめに

 

 

家づくりの打ち合わせを進めていると、図面を見た瞬間に、こんな気持ちになることがあります。
「悪くはないと思うけど、なぜか落ち着かない」
「ちゃんと考えられているはずなのに、しっくりこない」
「言葉にはできないけど、少し不安が残る」

この“なんとなくの違和感”は、決して気のせいではありません。

むしろそれは、これから長く暮らす家を真剣に考えているからこそ生まれる感覚です。打ち合わせが進むほど、決めることは増え、図面も複雑になります。だからこそ「言葉にならない感覚」を置き去りにせず、いまのうちに整理しておくことが後悔を減らす近道になります。

 

この記事では、間取りを見たときに生まれる「落ち着かなさ」の正体を、5つの視点から整理します。家族構成や働き方が変化しやすい時期のご家庭が、間取りの判断軸を持つための内容です。

 

 

なぜ「落ち着かない」と感じるのか

 

まず知っておいていただきたいのは、落ち着かない間取り=失敗した間取りではない、ということです。
多くの場合、次のような“ズレ”から違和感が生まれています。

 

・暮らし方と間取りのズレ
・今の生活と将来像のズレ
・気持ちと空間のズレ

 

だからこそ、図面を見たときに感じる小さな違和感は、家づくりを整え直すための大切なヒントになります。

 

 

視点①|動線が「日々の生活リズム」に合っていない

 

落ち着かない家は、動線がせわしない

忙しい平日と、家でゆっくりしたい休日。
この切り替えがある暮らしでは、間取りの中でも特に“動線”が体感に直結します。

例えば、

 

・帰宅後に必ずリビングを横切らないと洗面に行けない
・キッチン・洗面・玄関の動線が交差していて、同時に動くとぶつかりやすい
・誰かが動くたびに、別の人の作業を遮ってしまう

 
図面上では成立していても、生活では「常に人の気配がする」空間になり、落ち着きにくくなります。

確認の目安は、朝と夜の流れを“言葉”にできるかどうか。
「帰宅→手洗い→着替え」「調理→配膳→片付け」のように、日常の流れを一つずつ並べ、家族が同時に動いたときも無理がないかを見ます。

通り道になって落ち着かない場所が減るほど、家の空気は自然と整っていきます。

 

 

視点②|視線が休まらない間取りになっている

 

落ち着かなさの正体は「見えすぎ」かもしれない

落ち着かないと感じるとき、原因が“視線の抜け方”にあることがあります。

 

・ソファに座るとキッチンや洗面が丸見え
・ダイニングから玄関が一直線に見える
・テレビの背後を人が頻繁に通る

 
こうした状態は、生活感が常に目に入り、頭の中が休まりにくくなります。

大切なのは、開放感よりも「視線の情報量のちょうどよさ」。長く座る場所から何が見えるか、来客時に見られたくない場所が視界に入らないか、家の中に“ほっとできる視線の先”があるか。
視線が整うと、同じ広さでも落ち着き方が変わります。

 

 

 

視点③|音が広がりすぎている

 

音の違和感は、住んでから気づきやすい

吹き抜けやリビング階段は魅力的ですが、音が上下に広がりやすく、暮らし方によっては落ち着かなさにつながります。

 
・テレビの音が家中に響く
・生活音が反響しやすい
・夜に誰かが休んでいるとき、別の場所の音が気になる

 
こうしたズレは、暮らしが変化するほど表面化しやすくなります。

確認したいのは、家の中に「静」と「動」の差がつくかどうか。寝室や書斎の位置、階段の通り方、LDKの形、扉の取り方などで、音の広がり方は大きく変わります。
音が整うと、安心感は想像以上に増します。

 

 

視点④|「自分たちの居場所」が定まっていない

 

落ち着かない家は、役割が重なりすぎている

家の中心にLDKを置くのは自然なことです。
ただ、同じ空間に「食事・くつろぎ・仕事・趣味」が重なりすぎると、どこにいても気持ちが切り替わらず、落ち着きにくくなります。部屋数を増やすよりも、同じ空間の中に役割の違う“居場所”をつくる。
例えば、

 

・リビングの一角に「一人で静かに過ごせる席」をつくる
・ダイニングとは別に「何も考えずに座れる場所」を用意する

 
将来、家族が増えたり子どもが成長したりしたときに、居場所をどう広げられるかも含めて考えます。

落ち着く家は、集まれるけれど、自然に離れられる家です。

 

 

 

視点⑤|将来の変化を受け止められる余白がない

 

今だけでなく、数年後の暮らしまで想像できるか

家づくりを進める時期は、働き方や家族の過ごし方が変わりやすいタイミングでもあります。
にもかかわらず、今の便利さだけを優先し、使い替えの想定がない間取りだと、早い段階で違和感が出てきます。

ここで意識したいのが「使い方を変えられる余白」。

 
・部屋の用途を変えられるか
・収納や家具配置を調整できるか
・家族の人数が少ない時期の暮らしも、家で過ごす時間が増えた暮らしも想像できるか

 
落ち着く間取りは、変化を拒まない柔らかさを持っています。

 

 

まとめ

 

最後に、その違和感は無視しなくていい感覚です。「なんとなく気になる」という一言の中に、本当の暮らし、家族らしさ、大切にしたい価値観が隠れていることが多いからです。

 

1. ここは通り道になっていないか
2. 座ったときに視線が落ち着くか
3. 音が広がりすぎないか
4. 役割が重なっていないか
5. 変化を受け止める余白があるか

 

この5つは、図面を「暮らしの地図」として読み解くための基本の問いになります。
そして、間取りに絶対的な正解はありません。あるのは”その家族に合うかどうか”だけです。生活リズムに合っているか。気持ちが休まるか。時間を心地よく過ごせるか。

「この間取り、なんとなく落ち着かない」そう感じたときは、暮らしを見つめ直すチャンスです。間取りは図面の美しさではなく、毎日の安心感で選ぶもの。その視点を持つことが、後悔しない家づくりにつながっていきます。

 

いちいホームでは

いま手元にある図面を見て「悪くはないのに落ち着かない」「もう少し良くなる気がする」という感覚が残るなら、いちいホームのセカンドプランで、一度立ち止まって整理することもできます。
図面がまだ整っていない場合も、まずはお話から整理できますので「まとまっていない違和感」もそのままお持ちください。

 

 

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