パントリーとは?メリット・デメリットと土間直結動線のつくり方
- Category:設計・間取り・収納

家づくりを検討される方の多くが、「キッチンが散らかりやすい」「買い置きの収納場所が足りない」という悩みを抱えています。
そんな日常の悩みを整理し、暮らしの余白を生みやすくしてくれるのがパントリー(食品庫)です。
近年は、まとめ買いやストック収納のニーズが高まり、パントリーを標準にしたいというご相談が増えています。
さらに、玄関土間から直接パントリーへ荷物を運び込める「土間直結パントリー」も、家事の時短や動線整理の観点で注目されています。
この記事では、パントリーの基本、メリット・注意点、そして土間直結で動線を整える考え方まで、家づくり初心者の方にも分かりやすく整理します。
パントリーとは?
パントリーとは、食品・日用品・キッチン周りの雑貨などを「まとめて管理する」ための専用収納スペースです。
広さは0.5畳〜3畳程度が一般的で、暮らし方や買い物の仕方に合わせて形を選びます。
| 形の代表例 | 特徴 | 向いている暮らし |
|---|---|---|
| 扉付き
(開き戸・引き戸) |
生活感を隠しやすい
匂い・湿気対策もしやすい |
来客が多い
キッチンをすっきり見せたい |
| ウォークイン | 人が入れて在庫管理がしやすい | まとめ買いが多い
ストック量が多い |
| キッチン背面の横長 | 動線が短く、日常の出し入れが最短 | 調理頻度が高い
収納を分散させたくない |
| 土間とつなぐ
(動線短縮) |
買い物動線が強い
汚れ物も扱いやすい |
子育て・共働き
アウトドアや防災備蓄もまとめたい |
「食品だけの収納」ではなく、生活全体の効率性を上げる“家事の基地”として考えると、計画の精度が上がります。
パントリーの主なメリット

1|キッチンの散らかりを防ぎ、“見せない収納”ができる
キッチンは調理器具・調味料・日用品など物が増えやすい場所です。
パントリーに集約できると、キッチン本体は常に整いやすくなり、急な来客でも慌てにくくなります。
2|まとめ買い・ストック管理がしやすい
棚の奥行きや段数を暮らしに合わせて決められるため、ケース買いや日用品のストックも整理しやすくなります。
結果として、買い忘れや二重購入を減らし、食品ロスの抑制にもつながります。
| 収納しやすい代表例 | 具体例 |
|---|---|
| 食品・保存 | 乾物、レトルト、缶詰、調味料ストック |
| 日用品 | BOXティッシュ、トイレットペーパー、洗剤類 |
| 重量物 | 飲料、米、ペットボトルケース |
| 防災備蓄 | 水、カセットガス、簡易トイレ、ポータブル電源 |
3|生活動線が整い、家事がスムーズになる
「取り出す→調理する→片付ける」が短い動線で完結すると、日々の“探す・移動する”ストレスが減ります。
小さな負担が積み重なる家事だからこそ、動線の差が効いてきます。
4|冷蔵庫の配置自由度が上がる
パントリー内に冷蔵庫スペースを設けるプランも人気です。
キッチンの見た目がすっきりし、生活感を抑えながら直線的な動線もつくりやすくなります。
5|家の防災力が上がる
食品や水、衛生用品などを一箇所で管理できるため、備蓄の“見える化”が進みます。
ローリングストック(備蓄しながら日常で使う)とも相性がよく、非常時の安心につながります。
パントリーのデメリットと注意点
1|スペース確保が必要
1畳〜2畳でも、家全体の面積から見ると小さくありません。
収納力を確保しながら、LDKを圧迫しないバランスが重要です。
2|使い方が曖昧だと“物置化”しやすい
とりあえず入れる運用になると、どこに何があるか分からなくなりがちです。
何を置くかを先に決め、棚の奥行き・段数・通路幅を合わせると失敗しにくくなります。
3|換気・湿度対策が必要
食品を扱う収納だからこそ、湿気がこもりにくい計画が前提になります。
| 湿気対策の考え方 | 具体例 |
|---|---|
| 空気の通り道をつくる | 扉の形式・隙間/換気ルートの確保 |
| 収納の“詰め込み”を避ける | 棚板の間隔、床から少し浮かせる |
| 機器が置ける前提をつくる | コンセントを設け、除湿器運用も可能にする |
土間直結パントリーとは?
土間直結パントリーとは、玄関土間から直接出入りできるパントリーのことです。
買い物帰りに荷物をキッチンまで運ぶ距離を短くでき、玄関側で収納を完結させやすくなります。
土間直結にすると、「重たい荷物を最短でしまえる」「玄関と室内を汚しにくい」「アウトドア用品や防災用品もまとめやすい」といった実用面の効果が出やすく、週末のまとめ買いや雨の日の荷物運びでも負担が軽くなります。
土間直結パントリーの間取りづくり|3つのポイント

① 玄関 → パントリー → キッチンを“直線”でつなぐ
もっとも効果が出やすいのは、玄関からパントリーを経由してキッチンへ抜けられる動線です。
荷物を置く・しまう・調理に入る、という流れが自然につながり、回遊の無駄が減ります。
② 土間部分をどう取り込むかを決める
土間とのつなぎ方は、土間の一部を収納にする「半土間」か、
パントリー自体を土間仕様にする「完全土間」かで考えると整理しやすくなります。
靴のまま入れる運用にすると、飲料ケースなど大型荷物の出し入れが楽になり、外で使う物もまとめやすくなります。
③ 扉の種類を“動線の交差”に合わせて選ぶ
土間直結は出入りが増える分、扉がストレスになりやすい箇所です。
引き戸は省スペースで干渉しにくく、開き戸は密閉性が高く管理しやすい、ロールスクリーンは目隠しとコストのバランスを取りやすい、といった整理で検討すると選びやすくなります。
いちいホームでは
玄関〜キッチンの動線だけでなく、「何をどれくらい置くか」「将来増える物は何か」まで会話の中で具体化しながら、棚寸法・通路幅・扉形式まで含めて“使い続けられるパントリー”として設計に落とし込みます。
土間直結パントリーはどんな方に向いている?
・まとめ買い・ネットスーパーをよく使う
・重たい飲料水をケース買いする
・お子様がいて、買い物の頻度が多い
・アウトドア用品・防災用品をまとめておきたい
・玄関からキッチンまでの距離をできるだけ短くしたい
・動線が重ならない家事しやすい間取りにこだわりたい
こうした暮らし方に当てはまる方は、土間直結パントリーの効果を特に実感できます。
実例的な使い方のイメージ
土間直結パントリーがあると、日々の暮らしは次のように変わります。
買い物帰りのストレスがゼロに
玄関を開けてそのままパントリーへ。
重たいペットボトルも、靴を脱がずにそのまま収納できます。
収納場所がひと目で分かる
家族みんなが「どこに何があるか」理解できるので、家事の負担が家族全体で軽くなります。
キッチンが広く、美しく使える
生活感の出やすいストック類や調味料はパントリーに集約。
LDKの印象が大きく変わります。
来客時もキッチンを隠せる
パントリーが裏方の役割を果たして、キッチンは常に整った印象を保ちます。
パントリーを成功させるための設計前チェック項目
| チェック項目 | 目安・考え方 | |
|---|---|---|
| □ | 何をどれくらい収納するか決める | 食品/日用品/重量物/防災の優先度を整理 |
| □ | 棚の奥行きを用途に合わせる | 缶詰15〜20cm、ペットボトル30〜40cmなど“物基準”で決める |
| □ | 可動棚で高さ調整できるようにする | 生活の変化(子育て・備蓄量増)に対応 |
| □ | 換気・湿度対策を織り込む | 扉形式・空気の流れ・除湿運用も想定 |
| □ | コンセント計画 | 冷蔵庫・除湿器・充電の運用まで考える |
| □ | 玄関〜キッチン動線を確認 | 直線/回遊のどちらが暮らしに合うか整理 |
| □ | 家族全員が使える配置 | “誰が出し入れするか”で高さと通路を調整 |
パントリーは「作って終わり」ではなく、日々の運用で“フィットするか”が満足度を決めます。
まとめ
パントリーは、単なる食品庫ではなく、暮らし全体の効率を高める重要な収納スペースです。
とくに土間直結のパントリーは、買い物動線を短くし、重たい荷物の収納負担を減らし、キッチンの見た目と使い勝手の両方を整えやすくします。
間取りの満足度を左右しやすいポイントだからこそ、早い段階から「何を置くか」「どう使うか」まで想定して計画することが大切です。
いちいホームでは
設計士が暮らし方や収納量を伺いながら、棚寸法・通路幅・扉・換気まで含めてパントリーを具体化し、土間直結も含めた動線計画として整えます。
設計士が直接お客様と対話しながら家づくりを進めることで、それぞれの暮らしに寄り添ったご提案をさせていただきます。