造作(ぞうさく)とは?家づくりでの意味・事例・費用感
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はじめに
家づくりを考え始めると、「造作(ぞうさく)」という言葉を耳にすることが増えます。
「造作=なんとなく高そう」「特別な人が選ぶもの」といった印象を持つ方もいますが、
実は造作は暮らしを整え、家の満足度をぐっと高めてくれる便利な方法です。
この記事では、
1. 造作とはどんなものか
2. なぜ造作が注文住宅で選ばれるのか
3. よく使われる造作の事例
4. 造作の費用感
5. 造作を成功させるポイント
を解説します。
1. 造作(ぞうさく)とは?
既製品ではなく、住まいに合わせてつくり付ける家具・設備のこと。
家づくりにおける「造作」とは、空間や暮らしに合わせて大工さんや職人さんが現場でつくるオリジナルの設備・家具のことを指します。
代表的な例としては、洗面台・カウンター・テレビボード・棚や収納・デスク・ベンチなどがあります。
既製品(メーカー品)のように決まったサイズを「持ってくる」のではなく、
その家の幅や高さ、使い方に合わせて一から寸法を決めていくイメージです。
既製品を置いたときに生まれがちな、
「数センチだけすき間があく」「もったいないデッドスペースができる」「配線が丸見えで気になる」
といった状態を避けやすく、「欲しいところに・欲しい形で」納まることが造作の大きな魅力です。
2. なぜ造作は注文住宅と相性が良いのか
暮らし心地を大切にする家づくりでは、造作は特に相性の良い選択肢です。その理由を3つに整理してみます。
① 空間にすっきりぴたりと納まる心地よさ
造作の最大の魅力は、サイズを自由に調整できることです。
「この壁の幅にぴったりな棚が欲しい」「掃除機や家電がおさまる高さにしたい」など、
暮らしの“実寸”に合わせて奥行きや高さ、幅を決められます。
その結果、家具と壁との間に中途半端なすき間ができてしまったり、
デッドスペースが生まれたりすることが減り、視線も動線もすっきりとした空間に整います。
② 木のあたたかさ・統一感をつくれる
造作は、床材や建具の色味に合わせて素材を選べるため、空間全体の統一感を出しやすいのも特徴です。
木のカウンターや棚板は、
・触れるたびに心地よい質感が感じられる
・年月とともに色つやが変化し、味わいが増していく
・既製品にはない“家ならではの表情”が出てくる
といった魅力があり、長く住む家にぴったりの要素を備えています。
③ 今の暮らし方に合わせて細かく設計できる
造作は、暮らし方に合わせて細部まで決められる点も大きなメリットです。
・ノートパソコンを置けるだけの奥行き
・子どものランドセルや教科書が取り出しやすい棚の高さ
・夫婦それぞれの身長に合った洗面台の高さ
・調味料や家電のサイズに合わせたキッチン収納の奥行き・幅
こうした「ちょっとした使い勝手」を一つひとつ調整していくことで、
毎日の小さなストレスが減っていきます。
家族の暮らしに合わせてつくる「専用の道具」、それが造作の価値と言えます。
3. 家づくりに合う造作の事例
ここからは、実際の家づくりで人気の高い造作の例を詳しく紹介します。
1)洗面台

造作の代表ともいえるのが洗面台です。
「ただいま動線」の途中に配置するなど、動線計画とも相性が良く、人気の高い場所です。
造作洗面台では、家族の身長に合わせて天板の高さを決めたり、ボウルの大きさや形を選んだりできます。
さらに、タイル・鏡・照明の組み合わせで雰囲気を整え、収納量もライフスタイルに合わせて増やすことができます。
2)テレビボード

リビングは家の中心となる場所です。
その中でもテレビ周りがすっきり整っていると、空間全体の印象がぐっと清らかになります。
造作テレビボードでは、
・壁いっぱいの幅にぴったり合わせたサイズ
・テレビ裏や機器の配線を見せない工夫
・掃除ロボットが通りやすい高さの確保
・オープン棚や間接照明との組み合わせ
などを一体的に計画できます。
「見せたいものは見せる」「隠したいものは隠す」をコントロールしやすいため、
暮らしの落ち着きを大切にしたい方ほど選ばれやすい造作です。
3)カウンター(ワークスペース・スタディカウンター)

在宅ワークや子どもの宿題スペースとして、
リビングやダイニングまわりに小さなワークカウンターを設けるご家庭が増えています。
設置場所としては、
・キッチン横の一角
・リビングの一面
・2階ホール
・寝室の窓際
など、光の入り方や家族の動線を踏まえて決めていきます。
造作カウンターであれば、幅・奥行き・高さはもちろん、
コンセントの位置や配線を逃がすための切り欠きまで一緒に調整できます。
ノートPCを置いたときの余白や、プリンターの置き場、書類のちょっとした仮置きスペースなどもあらかじめ考えておけるため、「使いやすさ」のレベルが一段上がります。
4)パントリー・収納

片付く家の鍵を握るのが収納計画です。
収納が暮らし方に合っていないと、どれほど丁寧に暮らしても物があふれてしまいます。
造作収納の特徴を、簡単な表で整理すると次のようになります。
| ポイント | 造作収納の場合の考え方 |
|---|---|
| 棚の奥行き | 電子レンジや炊飯器など家電のサイズに合わせて設定できる |
| ゴミ箱スペース | ゴミ箱の高さ・幅にぴったり合わせて「定位置」をつくれる |
| 収納するモノの分類 | コップ・調味料・缶詰など、種類ごとに段を分けて収めやすい |
| 可動棚の有無 | 使い方の変化に合わせて棚の高さを後から調整できる |
このように、市販の収納だと「あと数センチ奥行きがあれば…」
といった微妙な不足が起きやすい部分も、造作なら最初から計画に組み込むことができます。
動線に合わせて収納の位置を決めれば、「置き場が決まっているから散らかりにくい」暮らしにつながります。
5)ベンチ・玄関の腰掛け

玄関に小さなベンチが一つあるだけで、暮らしやすさは大きく変わります。
・靴を履くときに腰かけられるので姿勢が楽
・荷物やカバンの一時置き場になる
・帰宅時の“ちょい置きスペース”としても便利
と、目立たないながらも活躍の場が多い造作です。
木製ベンチであれば、空間全体に温かみを添えながら、玄関の印象を柔らかく整えてくれます。
4. 造作の費用感
造作は内容によって金額の幅が大きいため、ここでは一般的な施工を想定した場合の目安を示します。
※大きさ・素材・デザイン・設備によって上下します。
(例:集成材か無垢材か、面材のランク、ボウルの種類、金物の数など)
造作費用の目安
| 造作の種類 | 目安費用(税込) |
|---|---|
| 造作洗面台(幅900〜1200mm程度) | 12〜25万円前後 |
| タイル仕上げ洗面台(上記に追加) | +3〜8万円程度 |
| 造作テレビボード(シンプルなタイプ) | 15〜30万円前後 |
| 造作カウンター(1.8m程度) | 5〜10万円前後 |
| スタディカウンター+可動棚 | 8〜15万円前後 |
| 造作パントリー棚 | 5〜12万円前後 |
| 可動棚(1か所) | 1.5〜3.5万円前後 |
| 玄関造作ベンチ | 5〜12万円前後 |
無垢材を多く使ったり、タイルや照明を組み合わせたりするとその分金額は上がりますが、
毎日使う場所ほど「使いやすさ」と「耐久性」を両立させることが大切です。
5. 造作を失敗なく進めるためのポイント
造作は自由度が高いぶん、計画の仕方がとても重要です。
ここでは、とくに押さえておきたいポイントを4つにまとめます。
① 「使う人」と「使う頻度」を先に決める
最初のステップは、「誰が」「いつ」「どのくらい」その造作を使うのかを具体的にすることです。
下のように、使う場面をイメージして整理しておくと、必要な幅・奥行き・収納量の精度が一気に高まります。
【洗面台】
誰が:親子2人など、家族複数人
いつ:朝の混雑する時間帯
どのくらい:同時に使う場面が多い
→ ポイント:2人が並んでも窮屈にならない幅や鏡のサイズ、動線を確保する
【カウンター】
誰が:子ども・親
いつ:子どもは毎日/親はテレワークの日
どのくらい:子どもは毎日宿題/親は週2回ほど使う
→ ポイント:勉強と仕事の両方に使える奥行き、コンセント位置、席数を検討する
【収納】
誰が:家族全員
いつ:月1回のまとめ買いのときや、日常的な出し入れの場面
どのくらい:ストック品が多めに必要になる
→ ポイント:まとめ買いの量に合わせて棚の奥行き・高さ・収納量を決める
② 置きたい物の寸法を把握する
造作で失敗しやすいのが「奥行きが足りなかった」「高さが足りなかった」というケースです。
事前に、そこに置きたい物の寸法をメモしておくと安心です。
例としては、電子レンジ・炊飯器・トースターなどのキッチン家電、ランドセルやファイルのサイズ、洗面で使うスキンケア用品、ゴミ箱、コードレス掃除機など。
「この家電の奥行きは◯cm」「このボトルの高さは◯cm」といった情報があると、造作は驚くほど使いやすくなります。
③ 照明・コンセント位置を同時に決める
造作を考えるときは、単体で「棚」「カウンター」だけを見るのではなく、
照明やコンセントもセットで検討することが大切です。
・洗面台:顔に影ができない位置から照らせる照明かどうか
・スタディカウンター:手元灯が必要か、コンセントの高さは適切か
・テレビボード:テレビ裏やゲーム機の配線をどこから逃がすか
・パントリー:家電用コンセントの数・位置は足りているか.
造作と電気計画を同時進行で調整しておくと、「あとから延長コードだらけになってしまった」という失敗を防ぎやすくなります。
④ 「素材のメンテナンス性」にも目を向ける
「造作=すべて無垢材」とイメージされることもありますが、用途によっては別の素材のほうが向いている場合もあります。
・水がかかりやすい場所 → メラミンカウンターやタイル、ウレタンなどのトップコート仕上げ
・ワークスペース → 傷に強い面材や、書き物をしても凹みにくい素材
・飾り棚 → あえて無垢材を使い、経年変化を楽しむ
といったように、見た目の好みとメンテナンス性のバランスをとって素材を選ぶと、日々のお手入れがぐっと楽になります。
いちいホームでは
こうした使い方のヒアリングや寸法の確認、照明・コンセント計画までを一体で考えながら、ご家族ごとに無理のない造作計画をご提案しています。
6. 造作は「たくさんつくれば良い」わけではない
造作というと、「家じゅうを造作だらけにしないといけないのでは?」と感じる方もいますが、必ずしもそうではありません。
むしろ大切なのは、「造作する場所を厳選する」という考え方です。
たとえば「洗面台だけ造作にする」「パントリーの棚だけ造作にする」「リビングのテレビボードだけ造作にする」「家族が集まるダイニングカウンターだけ造作にする」といったように、暮らしの中心になる場所を選んでポイント使いするだけでも、家の印象や使いやすさは大きく変わります。
造作が多い家=良い家、というわけではなく、
「必要なところに、必要なだけ造作がある家」=心地よい家
と考えると、予算とのバランスも取りやすくなります。

まとめ
造作は、既製品では叶えにくい
・ぴったりサイズの納まり
・空間全体の統一感
・木の温かさや質感
・日々の使いやすさ
・落ち着いた雰囲気
といった要素を実現できる、注文住宅ならではの魅力です。
家族の暮らしに寄り添いながら、過度に飾りすぎない美しさを大切にする家づくりと相性が良く、住んでからの満足度を大きく高めてくれます。
造作を取り入れることで物の置き場が決まり散らかりにくくなり、自分たちらしい空間ができ、生活動線もスムーズになっていきます。
結果として、毎日の小さなストレスが減り、「落ち着きのある暮らし」が自然と整っていきます。
いちいホームでは
標準仕様と既製品・造作のバランスを一緒に整理しながら、「どこに造作を使うと効果的か」「費用をどこまでかけるか」といったポイントも含めてご相談を承っています。
モデルハウスでの実例見学や無料相談会を通して、造作の取り入れ方を具体的にイメージしていただけますので、気になる方はお気軽にお声がけください。