中庭の設備計画│排水・照明・メンテ・植栽で変わる住み心地
- Category:設計・間取り・収納

はじめに|中庭の満足度は「設備計画」で決まる
中庭のある家は、プライバシーを守りながら光と風を取り込める住まいとして、人気が高まっています。
ただし、間取りやデザインばかりに目が向き、設備計画が後回しになると「雨が降るたびに水たまりができる」「夜は真っ暗で使えない」「草むしりが大変で放置気味」といった後悔につながりがちです。
中庭を”眺めるだけの庭”ではなく、”毎日使える外のリビング”にするには、排水・照明・メンテナンス・植栽の4つを設計段階から一体で計画することが欠かせません。
本記事では、それぞれのポイントを具体的に解説し、長く快適に暮らせる中庭づくりのヒントをお伝えします。
1|排水計画:雨の日も安心して過ごせる中庭に
中庭は建物に囲まれているため、雨水の逃げ道を確保しないと水はけが悪くなります。
とくにロの字型やコの字型は雨水が溜まりやすい構造なので、設計段階からの配慮が必須です。
勾配と集水桝の基本
中庭の床面には、排水口へ向かって1〜2%程度の勾配をつけるのが基本。
見た目にはほぼ水平に見えますが、雨水がスムーズに流れる傾斜を確保できます。
集水桝は中庭の最も低い位置に設置し、雨どいや地中配管と接続して敷地外へ排水します。
オーバーフロー経路を確保する
ゲリラ豪雨など想定を超える雨量に備え、オーバーフローの逃げ道も計画しておくと安心です。
万が一、集水桝の処理能力を超えた場合でも、建物内部への浸水を防げます。
床仕上げ材の選び方
| 仕上げ材 | 特徴 | 排水性 |
| タイル | 掃除しやすく耐久性が高い | 目地から浸透、勾配で排水 |
| 洗い出しコンクリート | 滑りにくく和モダンな印象 | 表面がざらつき水はけ良好 |
| 人工芝 | クッション性があり子どもの遊び場に最適 | 透水性タイプを選べば◎ |
| 砂利敷き | コストを抑えやすい | 透水性は高いが落ち葉掃除がやや手間 |
群馬の夏は夕立が多く、冬は乾燥して砂ぼこりが舞いやすい気候。
タイルや洗い出しなど水で流しやすい素材を選ぶと、日常の掃除も楽になります。
2|照明計画:夜も”使える中庭”にする

中庭照明は、安全性の確保・雰囲気づくり・防犯の3つの役割を担います。昼間だけでなく夜も中庭を活用したいなら、照明計画は欠かせません。
照明器具の種類と使い分け
・スポットライト(スパイク式)
地面に差し込み、樹木や壁面を下から照らす。
角度調整ができ、植物の成長に合わせて向きを変えられる。
・埋め込み照明(バリードライト)
地面やデッキに埋め込み、器具が目立たない。
壁面のアップライトに最適。
・ブラケットライト
壁付けタイプで空間全体をやわらかく照らす。
デザイン性の高いものを選べば日中もアクセントに。
・ポール灯
高さ30〜80cm程度の低いタイプが中庭向き。
足元を照らしつつ、まぶしさを抑えられる。
照明計画のコツ
1. 光色は電球色(2700〜3000K)
暖かみのある光はリラックス効果が高く、室内から見たときも落ち着いた印象に。
2. 室内への室内への眩しさ(グレア)を防ぐ
器具の位置と角度を調整し、リビングの窓から直接光源が見えないように計画。
3. 調光機能を取り入れる
シーンに応じて明るさを変えられると、普段の夕食時と週末のBBQでメリハリが出せる。
4. LEDを選ぶ
長寿命で交換頻度が減り、紫外線が少ないため虫が寄りにくい。
電源と配線の下準備
照明用の配線は後から追加すると工事が大がかりになります。
設計段階で外部コンセントの位置と数を決めておくと、将来の照明追加やイルミネーション、電動工具の使用にも対応できます。
防水仕様のコンセントを中庭に2か所以上設けておくのがおすすめです。
3|メンテナンス計画:10年後も快適に使うために
中庭は屋外空間なので、定期的なメンテナンスが必要です。
ただし、設計段階で”手入れしやすい仕組み”を仕込んでおけば、日々の負担は大幅に軽減できます。
掃除のしやすさを設計に組み込む
・外部水栓は中庭内に設置
ホースが届く位置に水栓があると、デッキや床の水洗いがスムーズ。
立水栓と散水栓の併用も便利です。
・掃除道具の収納場所を近くに
デッキブラシやホースを収納できるスペースを中庭横に確保しておくと、掃除のハードルが下がります。
・排水口の位置と掃除のしやすさ
排水口は目立たない隅に設けがちですが、落ち葉やゴミが詰まりやすい場所でもあります。
手が届きやすい位置に設置し、蓋が外しやすい構造にしておくと掃除が楽です。
10〜15年スパンの大規模メンテナンス
外壁塗装や防水工事は、中庭に面した壁が多いほど費用がかさむ傾向があります。
将来の修繕費も見据え、耐久性の高い素材を選んだり、足場を組みやすい設計にしておくと安心です。
4|植栽計画:四季を楽しみながら手入れを減らす

中庭に緑があると、室内から見える景色が格段に豊かになります。ただし、植えすぎると落ち葉掃除や水やりの負担が増え、手入れが追いつかなくなることも。
植栽計画は「どれだけ手をかけられるか」を基準に考えるのがポイントです。
シンボルツリーの選び方
| 樹種 | 特徴 | 管理のしやすさ |
| シマトネリコ | 風に揺れる姿が涼しげ、半常緑 | 成長が早く剪定は年1〜2回 |
| オリーブ | 乾燥に強く虫がつきにくい | 手間が少なく初心者向き |
| アオダモ | 落葉樹で冬は光を通す | 成長がゆっくりで管理しやすい |
| ソヨゴ | 常緑で目隠しにも | 成長が遅く剪定頻度が低い |
群馬の冬は日射取得が暖かさに直結するため、落葉樹を選ぶと冬は光を取り込み、夏は木陰をつくる”季節に応じた日射コントロール”が可能です。
下草・グランドカバーの工夫
土のままだと雑草が生え放題になりがち。
防草シートを敷いた上に砂利やバークチップを敷くか、タマリュウやクラピアなどのグランドカバーで覆うと、草むしりの手間を大幅に減らせます。
タイルやウッドデッキとの組み合わせで、緑の面積を適度に抑えるのも現実的な選択です。
植栽の配置と照明の連携
夜間に樹木をライトアップすると、室内から見える景色が一変します。
スポットライトで下から照らすと、昼間とは異なる陰影が生まれ、非日常感を演出できるでしょう。
ただし、常緑樹は葉が茂りすぎると光が届きにくくなるため、適度な剪定で樹形を整えることも大切です。
5|高崎エリアの気候を踏まえた設備計画
群馬県中南部は、夏の夕立・冬のからっ風・春先の花粉と黄砂など、季節ごとに特有の気候があります。
中庭の設備計画にもこれらを織り込んでおくと、年間を通じて快適に使えます。
・夕立対策
排水能力に余裕を持たせ、オーバーフロー経路を確保。軒や庇で雨の吹き込みを軽減。
・風対策
外部水栓を活用した水まきで砂ぼこりを抑える。風下側に植栽を配置して風を和らげる。
・花粉・黄砂対策
洗い流しやすい床仕上げを選ぶ。室内干しとの併用で洗濯物への付着を防ぐ。
6|いちいホームでは
いちいホームは、「光・風・緑をまとう暮らし」を設計思想の軸に、中庭のある住まいを数多く手がけてきました。設計士が直接ヒアリングし、排水・照明・メンテナンス・植栽の4つを間取りと同時に計画。
外構工事との一体設計で、住み始めてからの「こうしておけばよかった」を防ぎます。
・敷地診断から排水計画まで
周辺の地盤・雨水の流れ・隣地との高低差を読み、適切な排水ルートを設計。
・照明・コンセントの配置提案
夜の過ごし方をヒアリングし、必要な明るさと雰囲気をバランスよく計画。
・メンテナンスしやすい素材選定
耐久性・清掃性・コストを総合的に判断し、ご家族に合った仕上げをご提案。
・植栽は”育てられる量”で選定
手入れにかけられる時間を考慮し、無理のない緑の量と樹種をアドバイス。
高崎市八幡町の本社スタジオでは、中庭のある暮らしを体感いただけます。
見学や相談は事前予約でゆっくりご案内いたします。お気軽にお問い合わせください。
7|よくある質問
Q. 照明は後から追加できますか?
A. 配線が通っていれば器具の追加は可能です。
ただし、配線がない場合は壁や床を掘り起こす工事が必要になるため、設計段階で外部コンセントや配管ルートを確保しておくことをおすすめします。
Q. 植栽の手入れが苦手でも中庭に緑を取り入れられますか?
A. 可能です。成長が遅く剪定頻度が少ないソヨゴやオリーブを1本だけ植える、鉢植えで管理するなど、無理のない方法を選べば緑のある暮らしを楽しめます。
Q. 中庭の広さはどれくらい必要ですか?
A. 用途によりますが、テーブルと椅子を置いてくつろぐなら2〜3坪程度、子どもの遊び場や物干しスペースも兼ねるなら4坪以上が目安です。
敷地条件と優先順位を踏まえて設計士と相談してみてください。
8|まとめ|設備計画で”使える中庭”に
中庭のある家は、間取りやデザインだけでなく、排水・照明・メンテナンス・植栽の設備計画が住み心地を大きく左右します。
・排水:勾配・集水桝・オーバーフロー経路で雨の日も安心。
・照明:電球色LED+調光機能で夜も活用できる空間に。
・メンテナンス:水栓・収納・掃除しやすい素材で日々の負担を軽減。
・植栽:手入れできる量と樹種を選び、四季の変化を楽しむ。
設計段階からこれらを一体で計画することで、10年後も20年後も快適に使い続けられる中庭が実現します。
高崎・前橋・安中・藤岡エリアで中庭のある家をご検討中の方は、ぜひいちいホームの無料相談会へお越しください。
敷地条件と暮らし方に合わせた、あなただけの中庭計画を一緒に描きましょう。