シンプルモダンを“暮らしやすく”仕上げる設計要点(収納・素材・動線)
- Category:設計・間取り・収納
はじめに|美しさと暮らしやすさは、両立できる
白やグレーを基調とした洗練された空間、直線的でスッキリした意匠——。
シンプルモダンなデザインに憧れる方は少なくありません。
しかし実際に暮らし始めると、「片付けが追いつかない」「冷たい印象になりすぎた」「動線が悪くて不便」といった声も。
美しさと暮らしやすさは、本来対立するものではありません。
むしろシンプルモダンは、無駄を削ぎ落とすスタイルだからこそ、収納・素材・動線という3つの設計要点をきちんと押さえれば、見た目の美しさと日々の快適さを高い次元で両立できます。
本記事では、高崎市や前橋市など群馬県内で注文住宅を検討される方に向けて、シンプルモダンを“暮らしやすく”仕上げるための実践的なポイントを解説します。
シンプルモダンとは|装飾を削ぎ落とし、本質を際立たせるスタイル
シンプルモダンとは、余分な装飾を排除し、機能と美しさを両立させた現代的な住宅デザインです。以下のような特徴があります。
・色彩:白・黒・グレーを基調としたモノトーン配色
・形状:直線的でフラットな面構成
・素材感:コンクリート、ガラス、金属などの無機質素材と、木材などの自然素材を組み合わせる
・空間:余白を活かした広がりのある配置
このスタイルの本質は「引き算の美学」にあります。装飾で誤魔化さないからこそ、設計の精度が問われるのです。
暮らしやすさを支える3つの設計要点
1|収納計画|”見せない収納”で美しさを保つ

シンプルモダンの最大の敵は「生活感」。
どれだけ美しい空間をつくっても、モノが溢れていては台無しです。
そこで重要になるのが、徹底した収納計画です。
壁面収納を基本に据える
シンプルモダンでは、家具を置くのではなく、壁に収納を組み込む「造作収納」が効果的です。
天井まで届く壁面収納を設ければ、空間に凹凸が生まれず、スッキリした印象を保てます。
・キッチン:パントリーは扉で完全に隠す。オープン棚は最小限に
・リビング:テレビボード周辺は壁一面を収納化し、リモコンや小物を隠す
・玄関:シューズクローゼットは扉付きで1.5〜2.0帖確保。コート掛けも組み込む
動線上に”一時置き場”をつくる
家事や子育てに忙しいご家庭では、「ちょい置き」スペースの有無が暮らしやすさを左右します。
・玄関→土間収納→パントリー→キッチンの動線上に、カバンや買い物袋を一時的に置ける棚やカウンター(奥行30cm程度)を設置
・洗面脱衣所に可動棚を設け、脱いだ服や使用前のタオルを仮置き
・リビング入口にベンチ収納を配置し、帰宅後の荷物や子どもの学用品をサッと収納
「すぐに片付けられる場所」があることで、散らかりにくい仕組みができます。
収納扉は”引き戸”か”プッシュ式”で統一
シンプルモダンでは、取っ手やノブといった「出っ張り」も極力排除します。
引き戸やプッシュオープン式の扉を採用すれば、壁面がフラットに仕上がり、視覚的なノイズが減ります。
2|素材選び|冷たさを和らげる”温度感”の調整

シンプルモダンは、間違えると無機質で冷たい印象になりがちです。
そこで重要なのが、素材の組み合わせによる「温度感」の調整です。
床材は木目調で温かみをプラス
壁や天井を白やグレーで統一する場合、床材に木目調のフローリングを選ぶとバランスが取れます。
・おすすめ樹種:オーク、ウォールナット、メープルなどの無垢材または挽板フローリング
・色味:ナチュラル〜ミディアムトーン。ダークすぎると重くなりがち
アクセントウォールで変化をつける
全面を白い壁にすると、のっぺりとした印象になることがあります。
リビングの一面だけにアクセントを加えると、空間に奥行きと個性が生まれます。
・素材例:木ルーバー、石調タイル、モルタル調の塗り壁
・配置:テレビ背面やソファ背面など、視線が集まる場所
ただし、アクセントは「1空間に1箇所」が鉄則。やりすぎると雑多な印象になります。
質感のある素材を部分的に使う
コンクリート打ちっぱなしやガラス、金属などの無機質素材は、シンプルモダンを象徴する素材ですが、全面に使うと冷たく感じやすくなります。
・玄関:土間をモルタル仕上げにし、玄関框に無垢材を合わせる
・キッチン:ステンレスのワークトップに、木製のダイニングテーブルを組み合わせる
・洗面所:白いタイルの壁に、木製のミラーキャビネットを配置
「冷たい素材70%:温かい素材30%」のバランスを目安にすると、洗練されつつも居心地の良い空間になります。
3|動線設計|”回遊”と”最短”の使い分け

シンプルモダンの空間は、余計な壁や建具が少ない分、動線計画が暮らしやすさに直結します。
家事動線は”回遊”でストレスを減らす
共働き世帯では、家事の効率化が重要です。
「行き止まりのない回遊動線」を取り入れると、家事の同時進行がしやすくなります。
・洗濯動線:洗面脱衣所→ランドリールーム(室内干し)→ファミリークローゼット→廊下→洗面脱衣所
・料理動線:キッチン→パントリー→ダイニング→キッチン
回遊動線のポイントは、「どちら回りでもアクセスできる」こと。
子どもが走り回っても、渋滞が起きにくくなります。
朝の身支度動線は”一直線”に
一方、朝の身支度など「短時間で完結させたい動線」は、回遊ではなく一直線に配置します。
・寝室→洗面所→クローゼット→玄関を最短距離で結ぶ
・洗面所には二面鏡や幅広カウンター(120cm以上)を設け、家族が同時に使えるように
家族4人が朝に使う洗面所は、幅180cm・カウンター奥行50cmが理想です。
来客時の視線管理も忘れずに
シンプルモダンは余計な壁が少ないため、来客時にプライベート空間が見えやすくなります。
・玄関からリビングまでの視線を、格子やガラスの間仕切りで「透けるけど見えにくく」調整
・ランドリールームやパントリーは、引き戸で閉じられるようにする
・来客用トイレは、玄関ホールからアクセスできる配置に
「見せる部分」と「隠す部分」のゾーニングが、暮らしやすさの鍵です。
高崎エリアでの実践ポイント|気候と暮らし方に合わせる
群馬県内、とくに高崎市・前橋市・安中市で注文住宅を建てる際には、地域特有の気候や暮らし方に配慮した設計が必要です。
冬のからっ風対策
冬の強い北西風は、窓周りの冷えや乾燥を引き起こします。
・大開口は南側に集中:シンプルモダンで人気の大きな窓は、南面に配置し、北側は最小限に
・高断熱・高気密を土台に:UA値0.46、C値0.5以下(平均0.35)を基準に、開口部の大きさと快適性を両立
・庇や袖壁で風を逃がす:北西側に袖壁や植栽を配置し、風の直撃を和らげる
夏の日射対策
夏は日射が強く、室温が上がりやすくなります。
・軒の出を確保:南面の窓には90cm以上の軒を設け、夏の高い日差しを遮る
・ルーバーやシェード:西側の窓には可動式のシェードやルーバーを設置
・風の通り道をつくる:窓を対角線上に配置し、風が抜ける設計に
よくある失敗と対策
失敗1:収納不足でモノが溢れる
原因:見た目を優先し、収納面積を削りすぎた 対策:延床面積の10〜12%を収納に確保。
壁厚を活かしたニッチ収納も有効
失敗2:冷たく落ち着かない空間になった
原因:無機質素材ばかりで、木材などの温かみが不足 対策:床・建具・家具のいずれかに木目を取り入れる。
照明も温白色(3000K)を選ぶ
失敗3:家事動線が悪く疲れる
原因:デザイン重視で動線を軽視した 対策:間取り検討時に、1日の動きを時系列で書き出し、移動距離や扉の開閉回数をチェック
失敗4:音や視線が抜けすぎる
原因:壁や建具を減らしすぎた 対策:引き戸やガラス入り建具で、視線と音を適度にコントロール
いちいホームの設計アプローチ
いちいホームでは、シンプルモダンの美しさと暮らしやすさを両立させるため、以下の取り組みを行っています。
・設計士との直接対話:ヒアリングから設計・監理まで設計士が伴走し、ご家族の暮らし方に合わせた収納・動線を提案
・性能を前提にしたデザイン:UA値0.46・C値0.5以下を基準に、大開口や吹き抜けも安心して選べる温熱環境を実現
・自社大工による造作収納:壁面収納やベンチ収納など、空間に合わせた造作家具を現場で丁寧に仕上げ
・地域の気候を読む設計:高崎・前橋エリアの風向き・日射・敷地条件を踏まえ、季節ごとに快適な住まいを提案
モデルハウスでは、シンプルモダンな空間に隠された収納の工夫や、光と風の通り方を体感いただけます。
まとめ|設計の精度が、暮らしの質を決める
シンプルモダンは、装飾を削ぎ落とすからこそ、収納・素材・動線という設計の”中身”が問われるスタイルです。
・収納:壁面収納と一時置き場で、散らからない仕組みをつくる
・素材:木材などの温かみのある素材を3割混ぜ、冷たさを和らげる
・動線:家事は回遊、身支度は一直線。目的に応じて使い分ける
美しさと暮らしやすさは、決して対立しません。
丁寧な設計があれば、シンプルモダンは毎日を心地よくする住まいになります。
高崎市・前橋市・安中市で、「見た目も暮らしも妥協したくない」とお考えの方は、ぜひいちいホームにご相談ください。
設計士と一緒に、あなたの理想を形にしましょう。
