注文住宅の資金計画|ローン返済をラクにする考え方
- Category:土地・費用・制度
はじめに|「建てた後」までラクにする資金計画

家づくりで多くの方が最初に不安に感じるのは「ローンを無理なく払っていけるか?」という点です。資金計画は、“いくらの家が買えるか”を決める作業ではなく、“建てた後の暮らしまでラクにする設計”です。
車移動が中心で駐車台数や外構・光熱費などの“住んでからのコスト”も見据えた計画がポイント。この記事では、難しい専門用語を避け、家計初心者でも迷わない順番で、ローン返済をラクにする考え方を整理します。
いちいホームでは最初に“総額の天井”と“暮らしの優先順位”を共有し、外構・家具・光熱費まで含めた“入居後”目線の資金計画をいっしょに整えていきます。
目次
1. 資金計画は“もう一枚の設計図”
2. まず決めるのは「総額の天井」——3つの基準
3. 注文住宅の費用内訳(見落としやすい項目リストつき)
4. ローン返済をラクにする7つの考え方
5. 【カンタン試算】毎月の返済額と総利息の“感覚”をつかむ
6. 高崎エリアならではの予算づくりのコツ
7. ステップ別:迷わない資金計画ワーク
8. よくある疑問と落とし穴
9. いちいホームだからおすすめできる進め方
10. まとめ
1|資金計画は“もう一枚の設計図”
間取りの設計図が“空間の使い方”を描くのに対して、資金計画は“お金の使い方”の設計図です。
・建築前:土地・本体・付帯・諸費用を見える化
・建築中:増減要因(仕様変更・外構)をコントロール
・入居後:光熱費・固定資産税・保険・メンテ費を予測
この3段階を通して“総額”を管理すると、予算オーバーや返済の窮屈さを大きく減らせます。
2|まず決めるのは「総額の天井」——3つの基準
月々の返済額から逆算するのが安全です。次の3つを合わせて“天井”を決めておくと、土地・仕様選びがブレません。
1. 返済比率の目安
手取り月収に対して20〜25%以内を基本に。
ボーナス返済は0〜少なめ(入れない、もしくは入れても小さく)。
2. 教育費ピークを見越す
高校・大学進学時期は出費が重なります。
その数年前からの家計圧迫を想定し、返済比率は余裕をもって設定。
3. 生活防衛費(予備費)を残す
万一に備えた6〜12か月分の生活費は、頭金に“全部入れない”。
「引渡し後の家具家電・カーテン・引越し・細かな外構」も予備費から確保。
3|注文住宅の費用内訳

注文住宅の総額は、おおまかに下記の合算です。本体以外に“15〜25%”程度(条件で増減)を見込むと安心です。
・土地費用:土地代、仲介手数料、登記・印紙、地盤調査、造成・擁壁、上下水引込、農地転用・開発許可 等
・建物(本体工事):基礎・構造・内外装・住宅設備
・付帯工事:解体(建替え時)、屋外給排水・ガス、エアコン・照明・カーテン(一部は別途になることあり)
・外構:駐車場・門塀・アプローチ・植栽・フェンス・ウッドデッキ
・諸費用:設計監理料、確認申請、登記、ローン手数料・保証・団信、火災保険、印紙
・入居準備:引越し、家具・家電、ネット・防犯、当面の消耗品
・維持費(毎年/数年):固定資産税、火災保険更新、点検・メンテ費
よくある見落とし
・「カーテン・照明・エアコン」が別途
・地盤改良/造成の追加
・外構費が後回しで増額
・引渡し後の細かな工事(物干し・造作棚・面格子 等)
4|ローン返済をラクにする7つの考え方
1. 返済比率は“手取りの20〜25%内”
家計が楽。教育費ピークや収入変動に耐えやすい。
2. 期間は“長く組んで、短く返す”
35年で組み、繰上返済ルール(例:年◯万円まで・手数料無料の範囲で)を決めると、日々が楽で総利息も削減。
3. 固定・変動・ミックスの考え方
変動:当初返済は軽いが金利上昇に注意
固定:上昇リスクに強いが当初返済はやや重い
ミックス:生活防衛費を守りながら、上昇リスクも分散
4. 諸費用の扱い
現金で払い、頭金を入れ過ぎない。やむなく諸費用ローンに含める場合も、生活防衛費の確保が最優先。
5. 団信と生命保険の見直し
団信(特約含む)と既存の保険が重複していないかを整理。
6. “光熱費まで含めた”月々コスト最適化
断熱・日射遮蔽・通風計画・窓性能など設計の工夫で毎月の支出は減らせる。
7. ボーナス返済は“ゼロ〜少なめ”
景気や働き方で変動するため、ボーナス頼みは避ける。
5|【カンタン試算】毎月の返済額と総利息の“感覚”をつかむ
以下は目安のシミュレーションです(元利均等・ボーナス併用なし)。金利・条件により結果は変わります。
・借入3,500万円/35年
◦金利1.0%:月約98,800円、総利息約649万円
◦金利1.5%:月約107,200円、総利息約1,001万円
→月の差:約8,400円、生涯利息差は約351万円。
・ミックス例(合計3,500万円)
◦変動0.6%:2,500万円/固定1.3%:1,000万円
◦月返済合計の目安:約95,600円
※金利や配分で変動します。判断は“生活防衛費を守れるか”を最優先に。
ワンポイント:数字に“実感”を持つために、「住宅ローンの月額+光熱費(改善後の想定)」を合算し、“住居費の総額”で毎月を見比べると、設計の効果が分かりやすくなります。
6|高崎エリアならではの予算づくりのコツ
・車の台数と駐車計画:駐車場・アプローチは外構費を押し上げる要因。最初から一体設計がコスパ良。
・夏の日射・冬の冷え込み対策:窓の位置・庇・断熱・気密が光熱費に直結。設計で“毎月のコスト”を下げる。
・通勤・通学の移動設計:駅・バス・道路の混雑時間も“家計の時間コスト”。立地と間取りのトータル最適が大切。
7|ステップ別:迷わない資金計画ワーク
Step1|家計の見える化(30分)
・直近3か月の実支出の平均を把握(家計アプリや通帳でもOK)
・固定費(通信・保険・サブスク)を3つだけ削減候補に
Step2|天井づくり(15分)
・手取り月収×0.2=月返済の上限
・生活防衛費6〜12か月分を確保
・引渡し後費(家具家電・カーテン等)を概算で確保
Step3|総額の配分(60分)
・「土地:建物:外構:その他」の配分案を2パターン作成
◦例A:4:4:1.5:0.5(外構重視)
◦例B:3:5:1:1(建物重視)
・いちいホームでは、外構も含めた配置計画と並走して概算調整を行います。
Step4|ローン設計(60分)
・固定・変動・ミックスの短所長所を家計と照合
・繰上返済ルール(年◯万円・手数料無料枠内)を先に決める
・団信・生命保険の重複見直し
Step5|“建てた後”の固定費設計(30分)
・光熱費:断熱・日射遮蔽の改善策を検討
・固定資産税・保険更新の年次資金を別口座で積立
8|よくある疑問と落とし穴
Q. 頭金は2割ないとダメ?
A. 必須ではありません。頭金を優先するあまり、生活防衛費が不足するのは要注意。無理のない範囲で。
Q. 坪単価が安い会社が“おトク”?
A. 含まれる工事範囲が会社で異なります。外構・照明・カーテン・諸費用まで含めた“総額”で比較を。
Q. ボーナス返済を大きく入れて軽くしたい
A. 変動要素なのでおすすめはゼロ〜少なめ。入れる場合も、手取り月返済で回る計画を基本に。
Q. 変動金利が上がったら?
A. ミックスや繰上返済の逃げ道を用意。家計のバッファ(生活防衛費)を先に作るのが最優先。
9|いちいホームの進め方

1. 設計士と直接、“総額の天井”から考える
最初に総額と優先順位を共有。間取り・窓・外構・設備の選択を、金額の根拠とセットで整理します。
2. 外構・光熱費まで“一体で”設計
中庭・採光通風・断熱気密をプラン段階から反映。住んだ後の光熱費まで含めた“住居費の最適化”を目指します。
3. 見積りの透明性と増減管理
「基本仕様/オプション」「本体/付帯/外構/諸費用」を同じ土俵で見える化。途中の増減も記録と根拠を残します。
4. 体感できる“光と風の設計”
コンセプトハウスや実邸での体感を通じて、数字では伝わりにくい快適さと省エネを確認していただけます。
5. 地域密着の並走
高崎・周辺市町村の暮らし方や土地条件を踏まえ、“いま・この地域”に合う現実的な計画をご提案します。
10|まとめ——“払える”より“ラクに続く”計画へ
・手取り20〜25%の返済比率を基本に、教育費ピークと生活防衛費を先に確保
・総額の天井→配分(土地・建物・外構・その他)→ローン設計→入居後の固定費の順で整える
・断熱・採光・通風・外構を一体で設計し、光熱費まで含めた“住居費”で月々を最適化
・ボーナス返済はゼロ〜少なめ、繰上返済はルール化して無理なく利息を減らす
・比較は“坪単価”ではなく総額と暮らしの納得度で
いちいホームの無料個別相談では、ご家族の家計に合わせたオーダーメイドの資金計画づくりを一緒に進めます。
土地探しと設計を並行し、外構や光熱費まで含めた“入居後もラク”な総額設計をご提案。
「無理して払う」から「無理なく続く」へ。資金計画で、暮らしに余白を。